2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10440127
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Research Institution | kanazawa University |
Principal Investigator |
寅丸 敦志 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (50202205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 博明 神戸大学, 理学部, 教授 (60019495)
守屋 以智雄 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (50052494)
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Keywords | 発泡 / 伊豆大島1986年噴火 / マイクロライト / 発泡度 / 結晶数密度 |
Research Abstract |
本研究では、1986年の伊豆大島火山から噴出されたスコリアをサンプルとして、気泡や石基内のマイクロライトの光学顕微鏡での観察、定量的解析を行った。その結果、スコリアには、石基の結晶の数密度が小さいタイプ(A)と、大きいタイプ(B)があることがわかった。また、結晶数密度は発泡度と負の相関があり、マイクロライトに富んでいるもの(数密度7x10^9 number/m^2)は発泡度が低く(57%)、マイクロライトに乏しいもの(数密度6x10^8number/m^2)は発泡度が大きい(81%)ことがわかった。このことは、石基の結晶化過程と発泡という脱ガス過程が密接に関係していることを意味している。さらに、Aタイプは噴火の初期と晩期に多く、Bタイプは最盛期に多くみられることがわかった。マイクロライトの結晶化の原因を、脱ガスの進行に伴う実効的なリキダス温度の上昇と考えると、マイクロライト数密度の違いから、脱ガス速度の違いが推定される。その結果、おおよそ1桁の脱ガス速度の違いがあることがわかった。一方、脱ガス速度は、マグマの上昇速度に関係付けられ、発泡度との相関についてもうまく説明がつく。全ての結果を総合すると、噴火の初期にマグマは火道中をゆっくり上昇し、噴火の最盛期に最も上昇速度を増し、再び上昇速度が遅くなり噴火が終わるというマグマの上昇過程が推察できる。このことは、マグマの上昇モデルや、噴火の推移のモデル化に対して重要な制約を与える。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A.Toramaru 他: "Model of layering fromation in a mautle the peridotite (Horoman, Hokkaido, Japan)"Earth and Planetary Science Letters. 185. 299-313 (2001)
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[Publications] A.Toramaru: "A numerical experiment of crystallization for a binary eutectic system with application to igneous texture"Journal of Geophysical Researches. 106. 4037-4060 (2001)
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[Publications] A.Toramaru and A.Iochi: "Transitton between periodic precipitation and free-like crystal aggregates : a detail experimental study"Forma. 15. 365-376 (2000)