1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450092
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
末岡 淳男 九州大学, 工学部, 教授 (80038083)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 孝宏 大分大学, 工学部, 助教授 (60230877)
井上 卓見 九州大学, 工学部, 講師 (40274485)
松崎 健一郎 九州大学, 工学部, 講師 (80264068)
近藤 孝広 九州大学, 工学部, 教授 (80136522)
|
Keywords | 回転体の振動 / 摩擦振動 / 研削加工 / 摩耗 / パターン形成 / チャタリング |
Research Abstract |
1. 心なし研削における工作物の多角形化現象について,研削系を研削と摩擦をともなう線形時間遅れ系にモデル化して理論解析並びに数値計算を行い,従来の実験結果と比較した.その結果, (1)工作物が主に振動するモードの固有振動数付近およびそれ以下の回転数領域に不安定領域が存在する.そのときの工作物の変形は正多角形である. (2)工作物が主に振動するモードの不安定領域は,心高角の影響で奇数角形と偶数角形が生じやすい領域が周期的に分布する.心高角が小さいときは角形数が小さな奇数角形,大きいときは角形数が大きな偶数角形が発生しやすい.多角形化現象が発生しにくい心高角がその間(5゚〜7゚)に存在する.心高角が負のときはとくに角形数の小さな奇数角形が生じやすい. (3)受板頂角が大きいと多角形化現象は抑制される.受板頂角が負では多角形化現象が発生しやすい. (4)上記(1)〜(3)の数値計算結果は,従来からの実機による実験結果と非常に良い一致を示した. 2. 一対の金属ロール系に発生するパターン形成現象を実験的に考察した.チタン,SCM,SUS,S45Cを用いた実験では摩耗しやすい材料,硬い材料,軟らかい材料など材料の特性に応じて垂直方向や水平方向の振動が選択的に発生してパターン形成へと成長する過程を観察した. 3. 直流モータのフラッシュオーバー現象を確認するための実験を行っている.実機を用いた実験と整流子部に凹凸を有しない実験装置による実験を延べ500時間運転した中間結果では,まだパターン形成の兆候は出ていない.実機ではブラシが3mm程度,実験装置ではわずか0.3mm程度しか摩耗していない.ブラシの振動分析では実機で発生したパターン形成に対応した振動数成分の成長が続いている. 4. 製鉄機械のホットレベラで発生したロールの多角形化現象の原因究明を行っている.摩擦による自励振動によるパターン形成であることを明らかにし,解析を行っている.
|
Research Products
(1 results)