1999 Fiscal Year Annual Research Report
新しい同期概念を用いたマイクロプロセッサアーキテクチャの研究
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10450132
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅田 邦博 東京大学, 大規模集積システム設計教育研究センター, 教授 (70142239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 若丹彡 東京大学, 大規模集積システム設計教育研究センター, 助手 (50292959)
池田 誠 東京大学, 大規模集積システム設計教育研究センター, 講師 (00282682)
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Keywords | 疑似非同期 / シフトレジスタ / 加算回路 / データ符号化 / 消費電力削減 / チップインターフェース |
Research Abstract |
本研究においては、これまで加算器を中心に疑似非同期回路方式によるシステム構築に必要な要素の研究を行ってきているが、本年度は、加算器以外の演算器として、乗算、除算器に対して、平均的な演算速度の向上を目指した回路方式の検討を行った。乗算、除算を行う上で、基本となる加算回路方式および疑似非同期方式に適したシフトレジスタを用いたパイプライン化が重要であると考えられることから、ここでは幾つかの乗算、除算向の加算回路の方式の提案および乗算除算回路に適したシフトレジスタの提案を行った。 また、入出力およびチップ内部のバスにおけるデータ符号化による消費電力削減方式の検討を行った。本データ符号化方式は、消費電力削減の効果はあるが、データ転送に遅延を生じることから通常の同期回路方式においては適用の際にデータ遅延から生じる問題を解決する制御が不可欠であった。しかし、非同期回路方式および疑似非同期回路方式においては、もともと各ブロックでの遅延時間が可変であるという前提でシステムが構築されるため、バスなどのインターフェース部分での遅延時間がそれほど深刻では無い。 そこで本年度は、従来のバスでドライバ回路のみを入れ替えることで利用することを目指して冗長ビットを使用しない符号化方式の検討を行った。本符号化方式は、ある時点でそれまでに送信されたデータを統計的に処理し、次に送信するデータの符号語を決定する方式で、冗長ビットを使わない方式でありながら、信号遷移数を最大20%程度削減することが可能であることが分かった。
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[Publications] 小松 聡: "適応型コード帳符号化による低消費電力チップインターフェースの検討"電子情報通信学会 論文誌 C-II Vol.J82-C-II. No.4. 203-209 (1999)
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[Publications] 浜田 玲子: "マイクロプロセッサにおけるデータバス信号系列の統計的解析および擬似データ生成モデルの提案"電子情報通信学会論文誌 Vol.J82-A. No.8. 1406-1408 (1999)
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[Publications] K.Asada: "Associative memory with minimum hammingdistance detector and its application to bus data encoding"Proc.of AP-ASIC 99. 16.1 (1999)
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[Publications] K.Asada: "Approaches for Reducing Power Consumption in VLSI Bus Circuits"IEICE Trans.Electron.Vol.E83-C. No.2. 153-160 (2000)
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[Publications] T.Nezuka: "A Binary Image Sensor with Flexible Motion Vector Detection"Proc.of ASP-DAC 2000. 21-22 (2000)
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[Publications] 山下 高廣: "CSPL: キャパシタ分離型低電圧用高速パストランジスタ回路"電子情報通信学会論文誌C-II Vol.J83-C-II. (掲載予定). (2000)