ハイブリッド実験による中空断面コンクリート系高橋脚のレベルII地震時性能評価

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10450167
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 家村 浩和 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10026362)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 井上 晋 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (30168447) ; 五十嵐 晃 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80263101) ; 渡邉 史夫 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50026267) ; 高橋 良和 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10283623)
• Keywords: 中空断面 / 鉄筋コンクリート橋脚 / ハイブリッド地震応答実験 / 正負交番載荷実験 / 載荷履歴 / 変形成分分離

Research Abstract

本年度は、中空断面RC高橋脚を有する橋梁を想定した、基部が充填された中空断面橋脚模型を作成し、静的載荷実験を行うとともに、相似則を考慮したハイブリッド地震応答実験を行った。本研究で得られた主な知見は次の通りである。
・相似側を用いたハイブリッド実験により、震度法により設計された実橋脚の地震時応答を再現した。ここでは実橋脚レベルで神戸海洋気象台NS成分818gal、開北橋LG成分320galの地震波を入力した。その結果、両地地震動に対してほぼ同程度の応答を示しているものの、ほぼ弾性域での挙動であり、ほとんど損傷を受けていない。このことより基部のコンクリート充填および十分なせん断補強が施された中空断面橋脚は、タイプI、タイプII地震動に対して優れた耐震性を発揮できる。
・変形を曲げ・せん断成分へと分離し、載荷ステップにおける各変形成分の推移について検討を行った。タイプII地震動の場合が多少せん断変形の割合が大きいものの、地震動の違いによる変形成分の割合には大きな違いはみられなかった。これはハイブリッド実験ではほぼ弾性応答を示していることが原因と考えられる。ただし一方向に大きく変形を受ける入力を与えた場合には曲げせん断ひび割れが生じ、せん断変形の増大が確認された。

Research Products

• [Publications] Y.Takahashi and H.Iemura: "Inelastic Seismic Performance of RC Tall Piers with Hollow Section"Proceedings of 12th World Conference on Earthquake Engineering. No.-1353 (2000)
• [Publications] T.Kato and Y.Takahashi: "Earthquake Design and Construction of Tall Composite Piers"Proceedings of 12th World Conference on Earthquake Engineering. No.-899 (2000)
• [Publications] 高橋良和,家村浩和ほか: "RC橋脚の損傷に載荷履歴が及ぼす影響に関する一考察"第25回地震工学研究発表会講演論文集. 2. 713-716 (1999)
• [Publications] 家村浩和,高橋良和ほか: "中空断面RC柱の変形モード特性に関する実験的検討"土木学会第4回年次学術講演会講演概要集. 5. 490-491 (1999)
• [Publications] F.Watanabe et al.: "Analytical Method for Predicting the Response of Tied Concrete Columns to Seismic Loading"Proceedings of 12th World Conference on Earthquake Engineering. No.-162 (2000)
• [Publications] 井上晋ほか: "PRC はり部材の基本的耐荷特性に関する研究"コンクリート工学年次論文報告集. 21・3. 967-972 (1999)