1999 Fiscal Year Annual Research Report
九州沿岸域における環境ポテンシャル評価とハザードマップ形成に関する研究
Project/Area Number |
10450184
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
入江 功 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10213258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富樫 宏由 長崎大学, 工学部・社会開発工学科, 教授 (20005333)
滝川 清 熊本大学, 工学部・土木環境工学科, 教授 (80040450)
後藤 智明 東海大学, 工学部・土木工学科, 教授 (00266454)
村上 啓介 宮崎大学, 工学部・土木環境工学科, 助教授 (60219889)
佐藤 道郎 鹿児島大学, 工学部・海洋土木工学科, 教授 (40005450)
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Keywords | ハザードマップ / 沿岸防災 / 津波 / 高潮 / 海岸環境 / マークシート方式 / 数位計算 / 海底地殻変動 |
Research Abstract |
本研究は、九州地区沿岸域の環境ポテンシャルを評価すると共に、津波・高潮・海岸浸食等の危険度を調べ、「沿岸域のハザードマップ作成に寄与することを目的としている。研究は、平成10年〜12年度の3ヶ年で実施することにしている。研究内容は、先ず沿岸の自然災害による危険度を調べるための津波・高潮の数値モデルの構築と各沿岸における計算の実施と、海岸踏査等による沿岸域の環境ポテンシャルの評価に分かれる。平成11年度の研究実績は以下の通りである。 (1)津波・高潮の数値計算 昨年度に開発整備した数値計算プログラムを用い、各海岸の計算を行った。先ず宮崎海岸では、津波の波源が沿岸に近いことから、津波発生と地域住民への津浪警報とのそれぞれが要する時間に着目してハザードマップ形成を検討した。鹿児島海岸では、既往最大級の津波を沿岸に当てて、その海岸溯上高を計算し、沿岸における危険度を示すハザードマップ形成を試みた。一方、熊本〜長崎〜佐賀の有明海沿岸では、台風9918号の高潮災害が甚大な被害をもたらしたことから、数値計算による検証を行った。また、同台風により北九州および周防灘沿岸にも大きな被害が発生したため、この海域の高潮の検証計算も行っている。これらの研究を通して、確率的特性を持つ自然災害の危険度をハザードマップ等で如何に住民に適正に知らせるべきなのかという疑問が研究者の間に芽生えている。 (2)環境ポテンシャル調査 本年度は、この調査が各大学の協力により一段と進んだ。(1)博多〜北九州〜周防灘沿岸(2)虹の松原および有明海沿岸を含む佐賀沿岸(3)鹿児島沿岸(4)宮崎沿岸(5)相模湾に面する湘南海岸と、九州地区一円の沿岸および関東の沿岸を海岸踏査・マークシート方式の環境評価を行い、主成分分析等の共通解析の他、同データを用いた種々の発想による解析を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 滝川 清 ほか: "台風9918号による不知火海高潮災害〜その残したもの〜"土木学会海岸工学委員会「不知火海高潮災害緊急報告会」資料. in press. (1999)
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[Publications] 浅野敏之 ほか: "南九州沿岸および南西諸島海域における津沼の広域数値計算"海岸工学論文集. 第46巻. 326-330 (1999)
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[Publications] 吉田明徳 ほか: "現地観測と数値解析による細島港の湾内水面振動と係留船舶動揺特性"海岸工学論文集. 第46巻. 306-310 (1999)