2000 Fiscal Year Annual Research Report
環境を介する食糧・飼料の微量汚染と日本人の健康リスク評価モデルの構築
Project/Area Number |
10450196
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森澤 眞輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 稔 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40182852)
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Keywords | 健康リスク / 数学モデル / 食品汚染 / 放射性核種 / 重金属 / 食糧自給率 / 環境モニタリング / 食糧貿易 |
Research Abstract |
わが国の食糧自給率は飼料用穀物を含めると30%にすぎない。日本人の健康を保証し次の世代への持続的発展を可能にするためには、微量有害物質による地球規模での食糧汚染問題への対処施策について検討することが不可欠である。本研究では、環境中での微量汚染物質が生態学的経路を経て食糧に移行する機構とその蓄積、食糧貿易に伴う汚染物質の人為的輸送、等を総合的に評価し、日本人が受ける潜在的な健康リスクを評価するための枠組みを構築することを目指している。 平成12年度は以下の事項について検討した。すなわち先ず、有機塩素系農薬DDTを対象に日本を含む領域においてフガシティモデルを構築し、その食品経由の摂取量を評価し、日本人に誘発される発癌リスクを評価する評価システムを構築した。この評価モデルを適用し、わが国においてDDTの使用が禁止された1970年以降、現在に至る日本人に対する曝露評価を実施した。さらに、DDTとその代謝生成物質であるDDEに注目し、人体内に摂取されたこれらの有害物質の体内動態を評価するPBPKモデルを構築し、体内臓器・組織への移行・蓄積を踏まえた健康リスク評価モデルの構築に着手した。また、プラステック可塑剤を対象にその土壌中濃度と大気中濃度との関係を把握する他、わが国における市街地表層土壌中の重金属濃度分布を広範囲に調査し、日本人に対する重金属曝露評価のための調査データを収集した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 森澤眞輔,日高大彰,米田稔: "ガソリンの無鉛化による健康リスク低減効果の評価"土木学会地球環境シンポジウム講演論文集. 第8巻. 283-288 (2000)
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[Publications] 森澤眞輔,加藤敦士,米田稔,島田洋子: "日本におけるDDTの環境中動態と健康リスク評価"日本リスク研究学会研究発表会講演論文集. 第13巻. 212-218 (2000)
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[Publications] 三井昌文,島田明彦,米田稔,森澤眞輔: "SPMEを用いたPAHおよびPAEによる土壌汚染調査"環境工学研究論文集. 第37巻. 287-298 (2000)
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[Publications] K.Katahira,M.Yoneda & S.Morisawa: "Characteristics of Metal Element Distribution in Urban Surface Soil and Plants : Observations in Kyoto City Area and Stochastic Analysis"Environmental Technology. Vol.21. 505-513 (2000)
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[Publications] 森澤眞輔,鬼頭牧子,島田洋子,米田稔: "フォールアウトSr-90の骨への蓄積と日本人の発癌リスク評価"日本原子力学会誌. 41巻9号. 951-959 (2000)
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[Publications] S.Morisawa,Y.Shimada & M.Yoneda: "Flow,Stock and Destination of Radioactive Fallout Cs-137 in the Global Environment"Water Science and Technology. Vol.42,No.7-8. 155-162 (2000)