2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境を介する食糧・飼料の微量汚染と日本人の健康リスク評価モデルの構築
Project/Area Number |
10450196
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森澤 眞輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 稔 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40182852)
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Keywords | 環境内動態 / 曝露評価 / 評価モデル / 放射性フォールアウト / 農薬DDT / 健康リスク / 経口曝露 / 食糧・飼料輸入 |
Research Abstract |
本研究では、環境中での微量汚染物質が生態学的経路を経て食糧に移行する機構とその蓄積、食糧貿易に伴う汚染物質の人為的輸送、等を総合的に評価し、日本人が受ける潜在的な健康リスクを評価するための枠組みを構築し、その事例研究を実施した。先ず、世界各地で継続して監視されているフォールアウト(Sr-90およびCs-137)の降下量や食品中濃度の実測データに照らして、構築したモデルを検証した。環境中に保持されているこれらの放射性核種による食品経路による内部被曝を評価し、被曝線量が大気圏内核実験の停止と共に1970年代以降、平均的な日本人に対する発癌リスクが経年的に減少している様子を定量的に明らかにした。そのリスクは、Sr-90による白血病誘発リスクがCs-137による発癌リスクをほぼ1オーダー上回り、その大きさは高年齢の日本人に大きいこと等を明らかにした。 検討の対象をかつてガソリン中に含まれた鉛に拡大し、1970年代初頭に行われた有鉛ガソリン規制が、平均的な日本人に対する曝露量低減にどのような効果をもたらすかを、血液中鉛濃度を指標にして評価した。血液中鉛濃度の評価には、既存の鉛PBPKモデルを改良しマウスおよびヒトに対する曝露実験データに照らして検証して適用した。鉛の代用としてオクタン価を維持する役割を担ったベンゼンによる白血病誘発リスクを評価し、ベンゼンによる発癌リスクは鉛による機能障害リスクを上回ることを定量的に明らかにした。 1970年代初頭に生産・使用が全面的に禁止された農薬DDTを対象に、平均的な日本人に対する健康リスク評価を実施した。日本人の健康(発癌)リスクは1970年以降経年的に減少しており、将来の発癌リスクは輸入食品や飼料中に含まれるDDTに支配されることを明らかにした、日本人の健康リスクは地球規模の環境汚染と密接にかかわっていることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Morisawa, H.Hidaka, M.Yoneda: "Historical Review of Health Risk Aspects with the leaded Gasoline Regulation in Japan, Based on the PBPK Model"Jour. of Global Environment Eng.. Vol.7. 63-78 (2001)
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[Publications] S.Morisawa, Y.Shimada, M.Yoneda: "Flow, Stock and Destination of Radioactive Fallout Cs-137 in the Global Environment"Water Science & Technology. Vo.42 Nos.7-8. 155-162 (2001)
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[Publications] 中山亜紀, 野口芳弘, 小吉省吾, 八木孝司, 森澤眞輔: "ベンゼンによる染色体異常誘発リスク評価手法の構築"環境衛生工学研究. 第15巻3号. 170-174 (2001)
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[Publications] 森澤眞輔, 米田稔, 中山亜紀: "環境微量汚染物質による健康リスクの変遷、使用停止措置とその効果"地球環境シンポジウム講演論文集. 第9巻. 205-210 (2001)
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[Publications] 堀内将人, 森田真史, 原田信明, 颯田尚哉, 森澤眞輔: "精錬工場周辺におけるアンチモンの存在形態と汚染対策に関する検討"環境技術研究協会年次大会研究発表会要旨集. 第1巻. 107-112 (2001)
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[Publications] 川本裕子, 森澤眞輔: "河川環境におけるアンチモンの挙動について"環境技術研究協会年次大会研究発表会要旨集. 第1巻. 29-32 (2001)