2000 Fiscal Year Annual Research Report
建築計画・デザイン的要求に基づいた既存RC造校舎の耐震補強構法の開発
Project/Area Number |
10450221
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今井 克彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30301253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻岡 静雄 福井工業大学, 工学部, 教授 (90029356)
古川 忠稔 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70273597)
小浦 久子 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30243174)
木下 陵二 川鉄建材(株), 部長補(研究職)
藤本 益美 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (50117983)
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Keywords | FLD部材 / 塑性変形能力 / 低降伏点鋼管 / 繰り返し載荷 / FEM / 耐震改修 |
Research Abstract |
昨年の総合評価により、塑性変形能力の向上のため端部管の曲がりを拘束する芯金を挿入した改良タイプ(芯金:端部のクレビスと一体化し,中間管にその直径程度嵌合する部材)が、有効であることが分かった。本年度は、芯金入りタイプの有効性を最終確認するため、端部管に極低降伏点鋼管及び焼鈍した普通鋼管を用いた試験体により繰り返し載荷を行った。昨年に引き続き、実験と平行してNIKE-3D,DYNA-3Dによる解析を行い,実験値と比較した. また、従来の外管補剛二重管FLD部材を改良した内管補剛二重管FLD部材の実験を行い、実用化にメドをつけた。このタイプの問題点であった接合部近傍での首折れ現象を芯金挿入により解決した。 更に、本構法の有効性を確認するために本学基礎工学部本館耐震改修工事に関し、設計・施工の監修を行い、施工性、経済性、建築計画及び外観デザイン的検討を行った。以上のような実験的,解析的及び実物件による検討により以下のような知見を得た.1.単管FLD部材の耐震性向上に芯金挿入が有効であることが分かった。2.FEM解析は,単調載荷時及び繰り返し載荷時の変形挙動を概ねよく追跡しており,シミュレーションによる性能評価が可能となった.3.内管補剛二重管FLD部材の実用化にメドが立った。4.実物件への適用により本構法の有効性が検証された。
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[Publications] 小林,今井,脇山,木下,森田,萩野谷: "部材両端に低降伏点鋼管を有する耐補強ブレース材の開発(その2)"日本建築学会近畿支部研究報告集. 第40号. 261-264 (2000)
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[Publications] 小林,稲田,今井,脇山,木下,森田,萩野谷: "部材両端に低降伏点鋼管を有する耐補強ブレース材の開発(その3)"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-1. 905-906 (2000)
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[Publications] 小林,今井,脇山,木下: "部材両端に低降伏点鋼管を有する耐震補強ブレース材の開発"第2回日本制震(振)シンポジウム. 349-355 (2000)