2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10460002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大澤 良 筑波大学, 農林学系, 助教授 (80211788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 久喜 筑波大学, 農林学系, 講師 (70251022)
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Keywords | ソバ / 多収性 / 生殖生物学 / 栽培環境 / 品種内変異 / 季節的分断選抜 |
Research Abstract |
子実収量に及ぼす栽培環境の栽培生理・生態学的解析:ソバは痩せ地で栽培できる一方で、倒伏しやすいことから、施肥に対する認識が低いのが実情である。しかし、化成肥料として通常施用される肥料三要素は植物の成長・発育には必須な元素であり、施肥はソバの安定多収栽培上、最も重要な技術の一つである。そこで、畑地土壌として最も一般的な黒ボク土において、肥料三要素の無施用がソバの生育および収量に及ぼす影響を検討した。黒ボク土において、リン酸および窒素はソバの成長よりも収量に及ぼす影響が大きく、カリは成長には影響したものの収量には影響しなかった。リン酸の無施用は葉の拡大が抑制され、ソース器官の形勢が不十分な結果、乾物生産が低下したのに対し、窒素の無施用は葉の老化に起因する光合成能力の早期低下が乾物生産低下の原因と考えられた。 季節的分断選抜の効果と機作に関する遺伝生態学的解析:秋型品種宮崎在来と夏型品種牡丹ソバとの雑種種子について5月播き夏栽培と8月播き秋栽培を交互に続け7世代目の秋栽培と8世代目の夏栽培を行い、集団中の開花期に関する季節的分断選抜の効果を確認した。連続夏栽培によって開花が遅い個体が淘汰され、連続秋栽培によって開花が早い個体が淘汰されること、交互採種によってF1集団の開花期は維持されることが明らかになった。 我国在来種が保有する遺伝的多様性と生態型との関係:我国在来種の遺伝的多様性をAFLPマーカーにより解析するとともに、在来種が保有する形質変異との関係を明らかにしたところ、開花期の早生化にともない変動する幾つかの遺伝子座を確認できた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ohsawa, R., Ishikawa, K., Namai, H.: "Assortative mating in the population of intermediate ecotype of common buckwheatwith special reference to flowering time,pollen fertility and a rate of malformed pistil."Advances in Buckwheat Research. 676-680 (2001)
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[Publications] Iwata, H., Imon, K., Yoshimura, K., Tsumura, Y., Ohsawa, R.: "Genetic diversity of common buckwheat varieties in Japan based on microsatellite markers."Advances in Buckwheat Research. 240-247 (2001)
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[Publications] Hayashi, H: "Effects of NPK elements on growth and dry matter production of common buckwheat in andosol"Advances in Buckwheat Research. 16-21 (2001)