1998 Fiscal Year Annual Research Report
脂質分子構造からの高度不飽和脂肪酸の安定化と栄養学的機能性の向上化
Project/Area Number |
10460055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤本 健四郎 東北大学, 農学部, 教授 (00005620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 泰志 東北大学, 農学部, 助教授 (60194049)
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Keywords | エイコサペンタエン酸 / トリアシルグリセロール / 脂質分子構造 / 揮発性カルボニル / ヒドロペルオキシド |
Research Abstract |
高度不飽和脂肪酸としてエイコサペンタエン酸(EPA)を使用し、化学合成により、パルミチン酸と組み合わせた各種トリアシルグリセロールを調製した。本年度に合成したトリアシルグリセロールは以下の分子種である。 EEE(Trieicosapentaenoylglycerol)、EEP{1,2(or2,3)-Dieicasapentaenoyl-3(or1)-palmitoylglycerol}、EPP{1(or3)-Eicasapentaenoyl-2,3(or1,2)一dipalmitoylglycerol} これらのTGについて、トリパルミチンと混合し脂肪酸組成を各系ともEPA/パルミチン酸比を1:2に調整して25℃の暗所で保存し、酸化臭の原因となる揮発性物質を固相マイクロ抽出法によるヘッドスペースガスクロマトグラフィー分析で比較した。さらに各種TGから生成するEPAヒドロペルオキシドの異性体組成をHPLCを用いて分析した。 その結果、揮発性物質の生成量は、TG分子中のEPAのモル数と密接に相関し、EEE/PPP(1:2)>EEP/PPP(1:1)>EPPの順になった。主要物質はいずれのTGでも2,4-Heptadienal、2,4,7-Decatrienalを初めとするアルデヒドで共通していたが、EEEには1-Propanol、2-Butenalなどの特有な成分を検出された。ヒドロペルオキシドの構造は、TGの間ではほとんど差がなかった。しかし、メチルエステルとは大きく異なり、TGでは5-ヒドロペルオキシドがほとんど生成せず、グリセロールによる保護作用が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 河津智絵・遠藤泰志・藤本健四郎: "エイコサペンタエン酸のメチルエステル及びトリグリセリドの自動酸化で生成するモノヒドロペルオキシド位置異性体組成" 日本油化学会誌. 47(7). 709-712 (1998)
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[Publications] 遠藤泰志・青柳貴子・藤本健四郎: "エイコサペンタエン酸の自動酸化により生ずる揮発性成分に及ぼすトリアシルグリセリン構造の影響" 日本油化学会誌. 47(9). 873-878 (1998)