1999 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の培養肝細胞によるビテロゲニンの合成に及ぼす水圏汚染物質の抑制作用とその機構
Project/Area Number |
10460078
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
麦谷 泰雄 北海道大学, 水産学部, 教授 (50001615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 司 北海道大学, 水産学部, 助手 (60241379)
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Keywords | ニジマス / 肝細胞培養 / エストロゲン / ビテロゲニン / m-RNA / アルミニウム / カドミニウム / A23187 |
Research Abstract |
本年度はAlとCdによるビテロゲニン(VTG)の合成抑制機構を明らかにすることに重点をおいて研究をおこなった。得られた結果の概要は次ぎの通りである。 (1) ニジマスの肝細胞培養にエストロゲンを添加することにより、顕著なVTGが誘導された。これにAlを加えることにより、VTG合成は抑制され、VTGm-RNAの発現もAlの濃度依存的に抑制された。 (2) VTGの合成およびVTGm-RNAの発現は、Cdによっても抑制されたが、濃度依存性は認められなかった。 (3) AlによるVTGm-RNAの発現抑制は、培地のAlを除去することにより回復したが、Cdによる抑制は、Cd除去により回復しなかった。 (4) Alが細胞内Ca情報系を介して、VTG合成を抑制する可能性があるが、Ca関連試薬(A23187, ジルチアゼムなど)により、VTG合成は影響された。 (5) AlによるVTG合成の抑制とリン酸化酵素(プロテインキナーゼ C)の関係についての実験は、現在進行中であり、最終結論は次年度に持ち越した。 以上のことから、AlとCdは少なくともVTG遺伝子の発現過程に作用し、VTG合成を抑制することが明らかになった。
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Research Products
(1 results)