2000 Fiscal Year Annual Research Report
土地政策における緑地保全と土地所有権をめぐる対立調整に関する研究-環境保全型社会に向けた総合的土地政策の展望-
Project/Area Number |
10460098
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
佐々木 市夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70125384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徐 世旭 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (50312442)
香川 文庸 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (10291238)
和田 大輔 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (10241423)
石田 正昭 三重大学, 生物資源学部, 教授
甲斐 諭 九州大学, 農学部, 教授 (70038313)
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Keywords | 緑地保全 / 環境保全 / 土地政策 |
Research Abstract |
本研究の目的は、環境保全と土地所有の対立調整を軸として、地方公共団体の環境政策の実態・効果・問題点を整理するとともに、将来のわが国における土地利用規制・土地税制・土地公有化という三つの政策手段の組み合わせによる環境保全型社会構築に向けた総合的土地政策形成の方向を提示することにある。 本年度は、昨年度に実施した静岡県の天竜川流域に位置する浜松市・浜北市・天竜市の3市で実施したアンケート調査の集計分析を行った。主な調査内容は、緑地に関する経験・評価・意向であった。回答者の生活圏内での緑地との接触度合いには地域差がかなりあった。また、回答者の過去の緑地利用経験・ライフスタイル・趣味等が緑地評価に大きく影響していた。緑地整備のあり方に関しては、街路樹の取り扱いに関しては、街路樹を必要とはしているものの、その樹種選択等では不満が多くみられた。 さらに本年度は、季節による緑地利用の差・特徴を把握するための緑地利用実態調査を実施した。特に、冬季の積雪下での緑地利用に着目し、北海道を中心に実態調査を行った。北海道の積雪期の緑地の中でも公園においては、その積雪ゆえに「みどり」を利用し楽しむという点では十分に機能していないものの、オープンスペースとしては、歩くスキーやそり遊び等積雪下特有の利用方法が見られる。また、犬の散歩に関しては冬季においても積極的に行われている。しかし、除雪、樹木からの落雪等の問題から、冬季以外と比べると一日あたりの利用者数は少ないようである。また、地域内の雪捨て場としての利用等は今回の調査範囲内ではあまり見受けられない。積雪時の除雪方法や、雪解け後のゴミ・芝生養生などが問題として挙げられる。 来年度は、本年度までに明らかになった緑地利用の実態、住民間・住民と行政・住民と産業間等の対立を踏まえてこれら対立の調整を実現する総合的な土地政策に関する提言を行う。
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