1999 Fiscal Year Annual Research Report
ルーメンVFAによる成長ホルモン分泌抑制の機構解明
Project/Area Number |
10460120
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
萩野 顕彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80156249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 康之 東北生活文化大学, 家政学部, 教授 (90005637)
加藤 和雄 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60091831)
小原 嘉昭 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50302196)
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Keywords | 成長ホルモン / インスリン / IGF-I / デンプン給与 / カゼイン給与 / ルーメン / 十二指腸 |
Research Abstract |
本年度は、「採食時にルーメン内あるいは十二指腸内にデンプン、タンパク質を注入したときの代謝性ホルモン分泌の動態」につて検討を行った。 ルーメンフィステルまたは十二指腸カテーテルを装着したヒツジを用いて、水、デンプン、カゼインのルーメン内あるいは十二指腸内注入実験を行った。注入は、採食と同時に4時間にわたって行った(12時〜16時)。各注入期間の10日目に、15分間隔で12時間にわたって採血を行い、GH、インスリン、IGF-I濃度を測定した。 デンプン、カゼインのルーメン内注入では、対照区(水注入区)と比較して、採食後のGH濃度の有意な低下が長時間持続した。デンプンのルーメン内注入では、採食終了後のインスリン濃度が、対照区に比較して有意に高い値を示した。デンプンの十二指腸内注入では、対照区と比較してGH、インスリン、IGF-I濃度に差は認められなかった。カゼインの十二指腸内注入では、対照区およびデンプン区と比較して、採食後のGH濃度の有意な低下が長時間持続し、採食終了後のインスリン濃度およびIGF-I濃度が有意に高い値を示した。 この結果より、デンプンおよびカゼインのルーメン内注入は摂取栄養素量を増大させ、ルーメン内発酵が盛んになることにより採食時のGH濃度低下を長時間持続させたと考えられる。また、カゼインの十二指腸内注入により、インスリン、IGF-I濃度が上昇したのは、小腸から吸収されるアミノ酸量の増加によるものであると考えられる。 以上のように、デンプンおよびカゼインの消化吸収部位が異なると、代謝性ホルモン分泌動態にも差が見られることが明らかになった。
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