1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10470018
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Research Institution | Institute of Tropical Medicine, Nagasaki University |
Principal Investigator |
小坂 光男 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30079983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 孝朗 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (60199875)
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
大渡 伸 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (80128165)
金田 英子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (10253626)
斎藤 宗雄 (財)実験動物中央研究所, 総務部長(飼育技術研究部長) (50167417)
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Keywords | イオント・フォレシス(イオン電離輸送) / ニコチン作用 / VIP発汗 / 発汗誘発メカニズム / 弱免疫マウス / QSART定量的軸索反射性発汗テスト / 白血病抑制因子 / ムスカリン作用 |
Research Abstract |
発汗学上、今日尚謎とされている汗腺の神経支配(交感神経支配でコリン作動性)につき其の解明を目的として弱免疫マウスに移植したヒトの胸部皮膚による発汗機能解析を実施している。 (1)上記弱免疫マウスに移植した皮膚の生着を確認後、移植皮膚にアドレナリン、ピロカルピン(アセチールコリンの代用薬)、アトロピン(アセチールコリン拮抗薬)、VIP(vaso-intestinal polypeptide)を夫々適量、局所注入し、発汗誘発抑制の動向をヨード・デンプン反応のミノール法を用いて顕微鏡下で観察記録した結果ではアドレナリン(+)、ピロカルピン(+++)、アトロピン・ピロカルピン混合(±)、VIP(-)を示し、従来報告されている結果と一部相異が認めれてた。即ちVIPで発汗誘発が認められるNature(1980)の報告と異なる結果を示した。 (2)本実験課題では、イオント・フォレシスを用いたQSART(定量的軸索反射性発汗テスト)法により、交感神経節後線維末端と汗腺局部におけるニコチン作用及びムスカリン作用に注目してアドレナリン、アセチールコリン、ニコチン、ピロカルピン、VIPの適量をイオント・フォレシスで前腕皮膚浸透させ、局所発汗誘発の有無を発汗カプセル法を用いてアナローグ解析した結果、VIPを除きアドレナリン、アセチルーコリン、ニコチンでは軸索反射性発汗(++)を示した。 (3)軽度の身体運動により体温不変、皮膚温軽微上昇の条件下では上記(2)のVIP(-)はVIP(+)となり、皮膚局所で新たなる神経化学伝達物質分泌又は炎症類似反応が生じた事を示す結果となった。 (4)交感神経末端からのアセチールコリン分泌は発生学上では胎生期においてLIF(白血病抑制因子)などの分泌による遺伝子転換発現による新しい神経化学伝達物質(タンパク質)が分泌されると推論され、今後の研究を待ちたい。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kosaka M,: "Analysis of sweating induced by VIP iontophoresis in human skin"J Thermal Biology. 25. 175-180 (2000)
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[Publications] Ohwatari N,: "TGF-β1 mediates 70-kDa heat shock protein induction due to ultraviolet irradiation in human skin fibroblasts"Pflugers Arch - Eur J Physiol. 438. 239-244 (1999)
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[Publications] Kosaka M,: "Anatomical and neurochemical peculiarities of the pika retina: basis for lack of circadian rhythm of core temperature"Neuroscience Letters. 259. 13-16 (1999)
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[Publications] Kosaka M,: "Developmental and hormoral regulation of thermosensitive neuron potential activity in rat brain"Thyroid. 9(8). 837-843 (1999)
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[Publications] Matsumoto T,: "Coactivation of the flexor muscles as a synergist with the extensors during ballistic finger extension movement in trained kendo and karate athletes"Int J Sports Med. 20. 7-11 (1999)
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[Publications] Kosaka M,: "Evaluation of the applicability of infrared and thermistor-thermometry in thermophysiology research"Trop Med. 41(3). 133-142 (1999)
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[Publications] 小坂光男: "医科学応用研究財団研究報告"鈴木謙三記念,財団法人医科学応用研究財団. 258 (2000)
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[Publications] 小坂光男: "健康を測る"OMRON ヘルスケアビジネスカンパニー Topics. 23 (1999)