1998 Fiscal Year Annual Research Report
ネフロンのイオン輸送に対するホルモンと薬物の制御協関の細胞機序
Project/Area Number |
10470027
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
今井 正 自治医科大学, 医学部, 教授 (40049010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 淳一 自治医科大学, 医学部, 講師 (90179838)
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Keywords | 近位尿細管 / Na輸送 / Na-重炭酸イオン共輸送 / troglitazone / インスリン / 膜電位 / プロスタグランジン / クリアランス |
Research Abstract |
(1) CS-045(troglitazone)の尿細管作用:S-045はインスリン抵抗性糖尿病の治療に有効な薬物であり、その作用はインスリンの分泌は変えず、インスリンの作用を増強することにあるとされている。しかしながら、使用中にしばしば浮腫を来たすことが知られている。この機序を解明するため、まずイオン輸送の最も大きな近位直尿細管(PST)を単離尿細管潅流し、管腔内電位、細胞膜電位、ケーブル解析による経上皮抵抗、膜抵抗などの電気生理学的パラメータの測定を行った。10^<-5>MのCS-045を浴液に加えると基底側膜電位V_Bは軽度脱分極した。脱分極が正味のNa輸送の促進と結びつくとすれば、基底側膜にある起電性のNa-HCO3共輸送系の促進が考えられたので、HCO3コンダクタンスを測定した。CS-045によって基底側のHCO3コンダクタンスは明らかに大きくなり、CS-045を除くと回復した。このことより、CS-045は少なくとも近位尿細管尿細管に直接作用してNaHCO3輪送を促進する作用があることが明らかになった。インスリンとの協関に関しては引き続き検討中である。 (2) PG受容体ノックアウトマウスの尿細管機能の研究:PGE2受容体ノックアウトマウスの尿細管機能を調べるための予備実験として、マウスのクリアランス法を確立した。ペントバルビタール麻酔科で尾静脈からの生食の持続注入を行い、膀胱カテーテルで採取した尿量、浸透圧を測定し、PGE2の作用を観察した。PGE2によって尿量の増加、浸透圧の現象を観察した。この方法をノックアウトマウスに適用すべく、準備中である。さらに、単離尿細管灌流法をマウス尿細管に適用すべく、太いヘンレ上行脚、髄質部集合管の単離灌流に関する基礎検討を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Koyama S,Yoshitomi K,Imai M: "Effect of protamine on cation selective permeabilty in hamster medullary thick ascending limb of Henle's loop." Nephron. 78. 474-480 (1998)
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[Publications] Taniguchi J,Imai M: "Flow-dependent activation of maxi K^+ channels in apical membrane of rabbit connecting tubule." J Membr Biol. 164. 35-45 (1998)