2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者への虐待と支援に関する日本とスウェーデンの比較研究
Project/Area Number |
10470105
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高崎 絹子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (50100607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 由美 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助手 (10313256)
佐々木 明子 埼玉県立大学, 医療福祉学部, 助教授 (20167430)
阿部 俊子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助教授 (90292614)
小野 ミツ 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (60315182)
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Keywords | 老人虐待 / 不適切処遇 / 在宅高齢者 / 老人保健施設 / スェーデン / 不快・不当な経験 / 国際比較研究 |
Research Abstract |
I. 研究目的:日本と福祉先進国のスウェーデンの研究者と老人虐待に関する共同研究を推進し、比較分析することにより、老人虐待及び身体抑制などの問題についてケアの方法や基準、ケアシステムの在り方を見出す。 II. 研究方法、内容、結果:東京医科歯科大学の研究プロジェクトとスウェーデンカルマール大学のDr.I.B.Savemanやウメオ大学の看護職、医師の研究者、及びストックホルム保健大学のDr.H.Perssonらと交流し、以下の調査研究及び活動を実施した。 1. 在宅における高齢者虐待調査(平成7〜8年):(平成11年)スウェーデンにおける在宅高齢者への虐待調査を参考に、埼玉、山形、福岡3県の1800人の全保健婦対象、171人からケースが報告された。分析・検討を行い、その後4年後にfollow up調査を実施した。 2.全国老人保健施設における老人虐待、不適切処遇に関する調査(平成12〜13年):スウェーデンにおけるナーシングホームの調査票を参考に実施した。全国老人保健施設(悉皆調査)2241施設のうち798施設から回答があった。調査個票の回収数は4951で、利用者への虐待、不適切処遇の事例は881例であった。 3.「看護職・介護職員が受けた不快・不当な経験」に関する調査(平成12〜13年)全国老人保健施設調査の結果、看護職・介護職が利用者から受けた不快・不当な経験が1853例報告された。その内、身体的暴力は1786例で、骨折した例3例が含まれていた。 4.老人虐待の電話相談の活動とその分析(平成9年〜13年):電話相談はサポートラインの名称でボランティア活動として実施し、相談例役200件について分析した。 以上について、日本とスウェーデンの比較検討を行うと同時に、アメリカ、ドイツの関連等、情報の収集を行った。
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Research Products
(22 results)
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[Publications] 高崎絹子: ""老人虐待"の理解と家族支援"Gerontology. 13・4. 70-75 (2001)
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[Publications] 高崎絹子: "高齢者虐待の予防と対応(1)-拘束廃止の動きと援助事例から-"COMMUNITY CARE. 1. 50-53 (2001)
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[Publications] 高崎絹子, 佐々木明子: "日本とスウェーデンにおける高齢者ケアと老人虐待"日本在宅ケア学会誌. 4・2. 28-32 (2001)
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[Publications] Kinuko Takasaki, Momoe Konagaya. Taeko Chuman, Yumi Chiba, Masako Tomita: "Analysis of Activities by Telephone line for Elder Abuse in Japan"The 17th Congress of The Internatinal Asspciation of Gerontology. 35 (2001)
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[Publications] 高崎絹子: ""老人虐待"における家族援助"インターナショナルナーシングレビュー(INR). 23・2. 53-58 (2000)
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[Publications] 高崎絹子: "高齢者ケアの理念と「身体拘束ゼロ」の課題"老年看護学 (Journal of Japan Academy of Gerontological Nursing). 5・1. 4-6 (2000)
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[Publications] 高崎絹子, 小林亜由美, 千葉由美, 佐々木明子他: "在宅における老人虐待事例の援助の分析-援助過程の質、および援助結果に影響を与える要因の検討-"老年看護学 (Journal of Japan Academy of Gerontological Nursing). 5・1. 78-87 (2000)
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[Publications] 高崎絹子, 小野ミツ, 佐々木明子他: "都市部と郡部における在宅要介護高齢者虐待の比較検討-福岡県における実態調査と追跡調査から-"高齢者のケアと行動科学. 7・2. 53-61 (2000)
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[Publications] 可韋霖, 高崎絹子, 千葉由美, 富田真佐子: "老人虐待と支援に関する台湾と日本との比較研究-台北市と埼玉県の調査から-"日本在宅ケア学会誌(Journal of Japan Academy of Home Health Care). 4・1. 79-86 (2000)
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[Publications] 高崎絹子, 佐々木明子: ""老人虐待"の防止と支援"Expert Nurse. 15・2. (1999)
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[Publications] 高崎絹子: "介護保健制度と地域保健活動の課題・老人虐待の実態を通して地域保健の役割を考える"北海道公衆衛生学雑誌. 1. 117-122 (1998)
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[Publications] 高崎絹子: "在宅ケアにおける学才的アプローチの必要性-「老人虐待」とアドボカシーの現状と公的介護保険制度の課題を通して-"在宅ケア学会誌. 1・1. 6-16 (1998)
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[Publications] Kinuko Takasaki, Akiko Sasaki, Yoshimi Taniguchi, Yumi Chiba, Mitsu Ono: "Elder Abuse in Families and Supporting Activities of Community Health Nurses -The comparison of districts in Japan-"Innovation & Creativity Nursing into the 21st Centry. 16-18 (1998)
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[Publications] Akiko Sasaki, Kouko yamada, Syouko Katura, Toshiko Mizuno, Yumi Chiba, Mitsu Ono, Wakako Sato, Syoko Katura: "Factors Associated with Pasitive Attitude od Caregivers to Caregiving to Elderly at Home"Innocation & Creativity Nursing into the 21st Century. 16-18 (1998)
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[Publications] 高崎絹子: "変貌する家族増と保健医療福祉制度の課題-老人虐待の実態を通して-"状況と主体. 254. 7-16 (1997)
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[Publications] 高崎絹子: "高齢者と家族のアドボカシーと介護保険制度の課題"日本看護科学学会誌. 17・2. 38-41 (1997)
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[Publications] 佐々木明子, 高崎絹子, 小野ミツ, 谷口好美他: "老人虐待の支援に関する研究(2)-3県の実態調査から-"保健婦雑誌. 53・5. 383-391 (1997)
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[Publications] 谷口好美, 高崎絹子, 水野敏子, 千葉由美, 佐々木明子: "老人虐待と支援に関する研究、家族的背景からみた虐待の特徴"老年看護学雑誌. 1・1. 29-41 (1996)
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[Publications] 高崎絹子, 佐々木明子, 谷口好美, 水野敏子, 千葉由美他: "老人虐待の支援に関する研究(1)"保健婦雑誌. 51・12. 966-977 (1995)
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[Publications] 高崎絹子, 千葉由美: "虐待, 高齢者の「こころ」の事典"中央法規. 1200 (2000)
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[Publications] 高崎絹子, 谷口好美: ""老人虐待"の予防と支援"日本看護協会出版会. 294 (1998)
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[Publications] 高崎絹子: "看護白書,老人の人権とアドボカシー(権利擁護)"日本看護協会出版会. 182 (1996)