2000 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的リスクを考慮して骨粗鬆症予防策を立案する大規模無作為標本コホート研究
Project/Area Number |
10470114
|
Research Institution | Kinki University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 祥子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (50155628)
由良 晶子 近畿大学, 医学部, 助手 (80142595)
森田 明美 近畿大学, 医学部, 講師 (40262638)
|
Keywords | 遺伝要因 / 骨粗鬆症 / 骨密度 / 生活習慣要因 / 第1次予防対策 / Tailor-madeの予防対策 / ビタミンD受容体遺伝子多型 |
Research Abstract |
平成6、7年度に採取・保存していたDNAについていくつかの骨代謝関連遺伝子多型を同定し、平成11年度までに実施した調査データを併せて最終的なデータベースを完成させた。それを解析して以下の結果を得た。 1.Vitamin D receptor3末端側遺伝子多型は遺伝子頻度は従来の報告と同様であったが、骨密度との関連性は当初の報告ほど強くはなく、影響する遺伝子型も異なっていた。 2.Vitamin D receptor5末端側遺伝子多型では、やはり遺伝子頻度は従来の報告と同様であったが、骨密度との関連性は当初の報告とは異なっていた。 3.Lifetyle要因と骨密度との関連では、生活活動強度が高い、牛乳を1日1杯以上飲む、納豆を毎日食べる、カルシウムを十分に摂る、などが骨密度を維持する方向に働いていた。 4.Vitamin D receptor遺伝子多型とLifestyle要因との骨密度への複合影響を調べたところ、3末端側多型ではtt型とTt型で運動の影響が強く現れ、3末端側多型ではFF型とFf型で牛乳摂取の影響が強く認められた。 以上より、骨量には遺伝的負荷が大きいとされているが、成人後は遺伝要因よりもLifestyle要因が大きく関与すると考えられた。しかし、Vitamin D receptor遺伝子多型とLifestyle要因の骨密度への有意な複合影響も認められ、遺伝子型別に骨密度維持策を講じることがより効果的な対策、すなわち、Tailor-made preventive procedureとなりうることが示唆された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 伊木雅之 他10名: "日本人女性の骨密度変化の様相とその決定要因-JPOS Cohort Study-"Osteoporos Jpn. 9(印刷中). (2001)
-
[Publications] 秋葉隆,伊木雅之 他7名: "日本人女性における骨代謝マーカーの年齢、閉経、骨密度との関連"Osteoporos Jpn. 9(印刷中). (2001)
-
[Publications] M.Iki 他5名: "Bone mineral density of the spine, hip and distal foream in representative samples of the Japanese female population-Japanese Population-based Osteoporosis (JPOS) Study"Osteoporos Int. 12(印刷中). (2001)