1999 Fiscal Year Annual Research Report
尿路性器癌の発生分化に関与するepigeneticな遺伝子変化に関する研究
Project/Area Number |
10470331
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 修 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90260611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺井 章人 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50243019)
筧 善行 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20214273)
寺地 敏郎 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50207487)
山田 仁 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手
賀本 敏行 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00281098)
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Keywords | 泌尿器科癌 / 膀胱癌 / 前立腺癌 / メチル化 / エピジェネティック |
Research Abstract |
1)臨床検体ライブラリーの充実 尿路性器腫瘍は、近年著しい増加傾向をみせているが、全体的には比較的頻度の低い悪性腫瘍が多い。本研究年度においては、臨床検体(組織、血清、DNA、RNAなど)をさらに充実させたとともに、近年問題となっている患者からのインフォームドコンセントの内容を検討し、倫理的に不備な点を修正し改訂した。 2)膀胱癌における第8染色体、第9染色体に着目し、臨床材料を用いた遺伝子解析を行った。その結果、第8番染色体短腕上に転移に関係する遺伝子座が存在すること、また第9染色体上の2つのLocusが膀胱癌発生に関与する事が判明した。この領域にある関連候補遺伝子のメチル化に関しては検討を予定している。もう一つの第9染色体上の膀胱癌関連遺伝子(DBCCR1)に関して、そのプロモータ部位のメチル化の状態に関して様々な膀胱癌細胞株に関して検討した。その結果、DBCCR1遺伝子のプロモータ部位は、種々の程度にメチル化を受けており、メチル化の状態とDBCCR1遺伝子発現とは直接関連していない事が判明した。現在、臨床検体を用いたメチル化解析を継続中である。 3)前立腺癌は環境要因と遺伝素因が影響を及ぼし合って、長期過程で発生する。前立腺上皮を取り巻く微細環境は重要な役割を担っており、間質細胞におけるEpigeneticな変化が発癌や悪性進展に影響を及ぼしている可能性がある。この分子標的を明らかにする目的で、種々の遺伝多型と発癌リスクとの関連を検討した。その結果、アンドロゲン受容体遺伝子やビタミンD受容体遺伝子を介する機構が、前立腺上皮の微細環境を介して前立腺癌発生と関連する可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kinoshita H.et al.: "Telomerace activity in adrenal contical tumors"Urol. Res.. 26. 29-32 (1998)
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[Publications] Kinoshita H.et al.: "Low frequency of positive telomerace activity in RCC"J. Urol. 159. 245-251 (1998)
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[Publications] Sato K.et al.: "Expression of VEGF and its recepter H(t-1) in BT"Tohoku J Exp med.. 185. 173-184 (1998)
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[Publications] Ohgaki K.et al.: "Localization of tumor suppressor gene associated with BT"Genes Chromosomes Cancer. 25. 1-5 (1999)
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[Publications] Mitsunori K.: "Androgenes receptor CAG repeat length polynurphisms"Prostate. 41. 253-257 (1999)
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[Publications] Ohgaki K.et al: "Two tangert regions of allelic loss on dnomicine 9"Jpn J. Cancer. Res. 90. 957-964 (1999)