1998 Fiscal Year Annual Research Report
骨組織の発生,代謝に対する肝細胞増殖因子/上皮細胞分散因子(HGF/SF)の影響ーフェチュインの発現調節を中心としてー
Project/Area Number |
10470391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大工原 恭 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40028733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網田(安田 (陽子) 鹿児島大学, 歯学部, 教務職員 (70274850)
梶原 武弘 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (10305138)
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Keywords | フェチェイン / 肝細胞増殖因子(HGF) / c-Met / 骨発生 / 下顎骨 / 骨芽細胞 / 第一鰓弓 / 骨形成タンパク |
Research Abstract |
骨組織の発生に肝細胞増殖因子(HGF)が関っているか否か確認するため、骨組織を発生する部位におけるHGFとその受容体であるc-Metの発現を検討した。すなわち、胎生10日のマウス胚より、将来骨組織が多くを占める前肢、後肢、体節、及び第一鰓弓を得て、HGFとc-Metが発現しているか否かをRT-PCR法により検討したところ、両遺伝子ともに発現していることを確認した。次に、HGFとc-MetのmRNAレベルでの立体的な発現パターンを検討するため、digoxygeninでラベルしたRNAプローブを作成し、胎生10日から16日のマウス胚をホールマウントin situハイブリダイゼーション法で検討したところ、両遺伝子の発現に若干の時期的な差異はあるものの、前肢、後肢、体節、及び第一鰓弓に強い発現を認めた。特にc-Metの発現部位は、将来骨化する部分と多くの部分で一致しているものの、未分化間葉系細胞を軟骨細胞や骨芽細胞へ誘導することで知られる、トランスフォーミング増殖因子(TGF)-βファミリーである骨形成タンパク(bone morphogenetic protein;BMP)-2、BMP-4、BMP-7のいずれの発現部位とも異なっており、HGFがこれらの細胞増殖因子とともにに骨組織の分化を調節しているということを示唆する結果を得た。そこで、下顎骨に分化する第一鰓弓に注目し、胎生10日のマウス胚の第一鰓弓を無血清のBGJB培地で144時間培養し、in situハイブリダイゼーション法でHGFとc-MetのmRNAレベルの発現を検討したところ、両遺伝子ともに染色はin vivoよりも薄いが、c-Metの発現部位と下顎骨相当部の一部が一致していた。 今後は、第一鰓弓をヒト組換え体HGFの存在下で培養し、TGF-βファミリー及びフェチュインの発現の動向を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kajihara,T.: "Expression of hepatocyte growth factor/scatter factor(HGF/SF)and c-met in human dental papilla and fibroblasts from dental papilla." Arch.Oral Biol.(in press). (1999)
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[Publications] Arakaki,N.: "Hepatocyte growth factor/scatter factor activates the apoptosis signaling pathway by increasing caspase-3 activity in Sarcoma 180 cells." Biochem.Biophys.Res Commun.245. 211-215 (1998)
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[Publications] Kazi,J.A.: "Changes with age in rat fetuin concentration in serum and its mRNA expression." J.Biochem.124. 179-186 (1998)