1998 Fiscal Year Annual Research Report
補綴物装着時の接着性レジンの接着効果を高める支台歯の清掃を含めた表面処理の開発
Project/Area Number |
10470420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
嶺崎 良人 鹿児島大学, 歯学部附属病院, 講師 (70157577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 浩忠 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (20274855)
南 弘之 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (50244257)
田中 卓男 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40113584)
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Keywords | 接着性レジン / 接着強さ / 支台歯表面清掃法 / 仮着セメント / セメント溶解剤 / 接着面の表面処理 / 接着ブリッジ / メタルポスト |
Research Abstract |
1. 接着性レジンの接着効果を高めるクラウン支台歯表面の清掃方法に関する検討 支台歯表面に残留した仮着セメントの接着性レジンの接着強さに及ぼす影響とセメントの除去方法について検討した.その結果,支台歯の象牙質部分に付着した仮着セメントが,接着性レジンの接着強さを低下させることが明らかになった.また,支台歯への付着傾向が強い仮着用力ルボキシレートセメントの除去清掃方法として,機械的方法と化学的除去剤の併用が有効であった.とくに,アルカリ溶液である2.5%アンモニア水溶液は,高いセメント溶解性能を示すとともに,象牙質表面にほとんど影響を与えなかった.また,接着性レジンの接着強さにも影響を及ぼさず,実用的な除去溶解剤となる可能性が示唆された.現在,支台築造用合金で同様の試験を行っており,金属部分の有効な清掃方法についても検討中である. 2. 接着ブリッジの接着強さを向上させる表面処理法の検討 硬質レジン歯をポンティックとして用いる接着ブリッジ(接着ポンティック・ブリッジ)の接着耐久性を高める方法を見出す目的で,支台歯と硬質レジン歯の接着部分の表面処理方法と補強方法について検討した.その結果,リン酸エッチングやアルミナサンドプラスティングなどの表面処理と機械的維持の併用が,接着耐久性の向上に有効であった. 3. メタルポストの接着強さに関する検討 根管内のNaOClによる滅菌操作で低下した,4-META/MMA-TBBOレジンの接着強さを回復させるための,根管ポスト内の洗浄方法について検討した.その結果,中和用薬剤を使用した超音波洗浄が最も有効であった.
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[Publications] 木村 孝広: "仮着用カルボキシレートセメントの支台歯付着防止に関する研究" 日本補綴歯科学会雑誌. 42・3. 490-496 (1998)
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[Publications] 嶺崎 良人: "歯質の保存をめざしたブリッジ治療ー接着ボンティック・ブリッジの考え方と臨床ー" 接着歯学. 16・2. 76-81 (1998)
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[Publications] 中島 由佳: "硬質レンジ歯を用いた接着ポンティック・ブリッジの研究" 日本補綴歯科学会雑誌. 42・特別号. 38-38 (1998)
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[Publications] 倉茂 尚徳: "NaOC1処理による4-METAレジンの象牙質接着強さ低下を防止する研究ー中和用薬剤の浸透に超音波処理を応用する方法ー" 日本補綴歯科学会雑誌. 43・1. 67-72 (1999)