1999 Fiscal Year Annual Research Report
organ identity決定の基本的共通機構;Notchシグナリングによるマスターコントロール遺伝子の制御
Project/Area Number |
10480207
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
倉田 祥一朗 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (90221944)
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Keywords | 器官形成 / Notchシグナリング / マスターコントロール遺伝子 / ホメオティック遺伝子 |
Research Abstract |
これまでに,ショウジョウバエの主要な成虫器官である複眼,翅,触角そして肢の形成時には,Notchシグナリングが状況に応じて,これらの器官のアイデンティティー決定に重要な遺伝子(ey,vg,Dll)の発現を誘導して、それぞれの器官形成を誘導するという基本的な共通機構が存在することを見いだしている.今年度は、この共通制御機構から、どのようにして器官アイデンティティーの特異性が発現するのか、特異性を付加するホメオティック遺伝子Antennapedia(Antp)に着目して解析した。その結果、(1)Antpのホメオドメインを介した転写制御が翅と肢の特異性の発現に必要である。(2)そのAntpによる転写制御には、転写の活性化が必要である。(3)翅の誘導にはホメオドメインの厳密な特異性を必要とするが、肢の誘導にはそれほどの厳密な特異性は必要としない。(4)ホメオドメインの特異性がAntpと異なることが知られているホメオティック遺伝子Ultrabithorax(Ubx)を発現させると、肢の誘導は起こるが翅の誘導は起こらない。これらの結果は、Antpが翅と肢の誘導にそれぞれ異なった様式で関与していることを示唆している。
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[Publications] Fujimoto Y.: "Two subunits of the insect 26/29-kDa proteinase are probably derived from a common precursor protein"J Biochem. 125,. 566-573 (1999)
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[Publications] Kurata S.: "Notch signalling and the determination of appendage identity"Proc. Natl. Acad. Sci. UAS. ( in press).