1999 Fiscal Year Annual Research Report
都市環境下におけるカラスと人間生活との摩擦発生機構の解明に関する研究
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10490011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樋口 広芳 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10111486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁平 義明 東北大学, 文学部, 教授 (10007833)
石田 健 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (90192484)
加藤 和弘 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60242161)
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Keywords | ハシブトガラス / 採食 / ゴミ / 環境保全 / 理想自由分布 / 個体数 / PHS |
Research Abstract |
前年度に引き続き,東京都銀座の飲食店街において道路に出されるゴミとハシブトガラスの分布状況調査を実施し,解析を行なった.その結果,生ゴミの分布とハシブトガラスの分布に強い相関がみられたため,銀座におけるハシブトガラスの分布は,生ゴミを資源とした理想自由分布にしたがっていることがわかった.また,早朝は過去のゴミの分布にあわせて飛来し,その後,当日の状況にあわせた分布に変化することから,記憶によって銀座に飛来し,利用するゴミの探索を行なうという採食行動を行なうことが示唆された. ハシブトガラスの個体移動追跡は,非常に困難である.ハシブトガラスが街中で生活するため,ビルなどの建物が障害となって目視による追跡も地上用発信機を使用した追跡もむずかしいものとなっている.そこで,街中での追跡に適していると考えられるPHSを利用したハシブトガラスの個体追跡実験を行なった.実験は上野動物園で捕獲したハシブトガラス6羽にPHS(Personal Handyphone System)を装着して行なった.3〜9日間の追跡を行なった結果,上野動物園内から移動しないもの,上野公園内での移動がみられるもの,上野を離れて西日暮里まで移動したものが確認された.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 長戸理恵.森下英美子.樋口広芳.板生清: "PHSによる野生動物の位置探索"モーバイルコンピューティング. 12・1. 1-5 (2000)
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[Publications] 加藤和弘.森下英美子.中村孝.深見理.東淳樹.樋口広芳: "銀座で早朝に採食するハシブトガラス個体の分布・習慣の効果と理想自由分布"日本鳥学会 1999年度大会 講演要旨集. 103 (1999)
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[Publications] 森下英美子.樋口広芳: "ハシブトガラスが煙浴にくる条件"日本鳥学会 1999年度大会 講演要旨集. 62 (1999)