1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10490029
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Beppu University |
Principal Investigator |
中村 賢二郎 別府大学, 文学部, 教授 (50237393)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 靖史 別府大学, 文学部, 助教授 (50269122)
下村 智 別府大学, 文学部, 助教授 (60299683)
飯沼 賢二 別府大学, 文学部, 教授 (20176051)
後藤 重巳 別府大学, 文学部, 教授 (70078830)
後藤 宗俊 別府大学, 文学部, 教授 (80225664)
|
Keywords | 「環境歴史学」の視点に立つ / 先史から現代に至る地域開発史 / デジタル三次元映像による歴史環境復元 / 文化遺産を生かした地域づくりの提言 / 「文化財学」の構築をめざす学際的研究 |
Research Abstract |
本研究は環境歴史学の視点に立って都市及び農村の歴史を、自然と人間の生活の営みとのかかわりあいの歴史として認識し、考古学・歴史学・地理学・民俗学等の分野からなるスタッフにより学際的に研究するものである。研究にあたっては12名の研究者を(1)考古学班、(2)歴史民俗班、(3)建造物班、(4)情報処理班に編成し研究に着手した。 考古学班では古墳時代以前の日田盆地周辺の開発史的研究を進めた。先史古代における当該地域と周辺地域との流通交通ルートを徹底した現地踏査で明らかにし、これら交通流通関係が、地域の開発史と首長制の成立過程に大きな位置を占めることを明らかにした。 歴史民俗班は、日田盆地東部及び大肥地区の水系調査・地名調査等を行い、あわせて同地区における中世・近世文書、金石文、その他の文化財の調査を進めた。また建造物班は日田市豆田・隈地区の集落町並みの基礎的調査を行なった。これらにより中世村落・耕地の開発過程を解明するとともに、近世都市の形成過程を解明する手がかりを得た。 当研究ではコンピュータによる地理・歴史情報の映像化を行い、地域開発と環境とのかかわりについて三次元の映像による解析を試みることとしている。そのためのシステムとして「地理情報解析支援ソフトシステム」を整備した。今年度は当該地方の中核遺跡である小迫辻原遺跡と吹上遺跡を含む1000分の1の地形図を作成し、そのデータ解析に着手している。またあわせて国土地理院の25000分の1の地形図を三次元映像に立ち上げ、流通交通ルートをシュミレーションするなどの方途の開発を行なった。 また環境歴史学の研究で成果をあげているイギリス及び韓国の研究者を招聰し研究討議を行なった。この作業によって本研究の問題意識が世界史的課題であることが明らかにされるとともに、その研究と文化遺産の保存活用の方途について研究交流をすすめた。
|