1998 Fiscal Year Annual Research Report
英語史研究支援の異写本パラレル・ラクスト・コーパス--Ancrene Wisse コーパス
Project/Area Number |
10551014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保内 端郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90017624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SCAHILL John 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90231068)
小野 祥子 東京女子大学, 文理学部, 教授 (90152529)
小林 絢子 東京家政大学, 文学部, 教授 (00215310)
池上 恵子 成城大学, 短期大学部, 教授 (00119356)
太田 宜子 駒沢女子短期大学, 教授 (80310332)
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Keywords | 英語史 / 移行期 / 電子化写本テクスト / 異写本テクスト / 後期古英語 / 中英語 / Ancrene Wisse / テクスト・データベース |
Research Abstract |
Ancrene Wisse(『修道女案内』以下AW)は「移行期」のほぼ最終端に位置し、「英語散文の連続性」の問題を解明、検証する上で、きわめて重要であることは多言を要しないであろう。本研究課題によってAWコーパスが完成するとき、13世紀初頭から15世紀にかけての英国西中部方言域における音韻、綴字、形態、統語法、句読法、語彙、文体等にわたる通時的研究はもちろん、方言研究、ひいては社会史的、文化史的研究全般に対し、研究のための確固たる基礎を提供することは明らかである。そのパラレル・テクストはその時期の方言域の英語史的言語変化情報を一目瞭然な形で提供する。また、AWには同時代の羅仏訳があり、それらとの比較参照を容易にすることは当時の言語生活の状況の実態を理解する上できわめて有効であろう。パイロット・スタディの役割を担うこのAWコーパスに呼応して各方面において同種の異写本パラレル・テクスト・コーパス作成作業が13世紀の他の作品群、また、その前後の時期の作品について行われ、それらとの比較が可能となるとき、さらに資料的価値が高められるばかりでなく、「移行期」およびその前後の時期の英語史研究はその厳密性を飛躍的に増すこととなるはずである。 本年度は、第3,4章の写本テクストの検討と入力、校正作業を中心に進め、同時に前期の研究成果として公刊したElectronic Parallel Diplomatic Manuscript Text of the AW,Preface,Parts I&II:a printed trial version(1997)の改訂作業を行った。その研究成果の発表は、池上、小野、田辺が1998年8月マンチェスターで開催の第10回国際英語史学会において一部行ったほか、上記の1997年版を増補改訂し、序文および第1-3章を収録した1999年版としてその中において行うべくその公刊に向けて編集準備作業を行った。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 久保内 端郎: "What is the potat? Manuscript puactuation as evidence for ilageistic change." English historical Linguistics and philology in Japan (Berlin: Mouton de Crufter). 171-188 (1998)
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[Publications] 久保内 端郎: "(書評)青島英雄著「英語史研究の軌跡--フィロロジー的研究からコーパス言語学的研究へ」(英宝社、1997)" 「英語青年」(東京:研究社). 144,5. 56 (1998)
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[Publications] 太田 宜子: "On the Centeal Differences between the Four MSS of the Ancreae Fisse -- with Electronic Parallel Diplocatic Texts of the AW--." 駒沢女子短期大学「研究紀要」. 32. 55-64 (1999)
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[Publications] 小林 絢子: "王妃エンマとアングロ・サクソン王朝最後の王たち" 「英語英文学研究」(東京家政大学英語英文学会). 4. 43-56 (1998)
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[Publications] 小林 絢子: "On Women in the 'Anglo-Saxon Chronicle'" 「東京家政大学研究紀要(1)人文社会科学編」. 39. 225-231 (1999)
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[Publications] 小野 祥子: "Some Notes on the Lexical Change in the Vernon Manuscript of the Ancrene Wisse" The Essays and Studies (Tokyo Woman's Christian University). 45. (1999)
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[Publications] 田辺 春美: "(共著)「VODを用いたCALL授業--[英語I・C]の実践と評価」" 成蹊英語英文学研究. 3. (1999)
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[Publications] 久保内 端郎: "(共編)Text and Language: Beovulf,Chaucer and Related Works" Centre for Medieval English Studies,Tokyo, vi+77 (1998)
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[Publications] 久保内 端郎(共編): "A Bibliography of Publications on Medieval English Language and Literature in Japan April 1990-94" Centre for Medieval English Studies,Tokyo, vi+67 (1998)
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[Publications] 久保内 端郎: "From Wulfstan to Richard Rolle: papers exploring the 'continuity of English press" D.S.Brewer,Cambridge(出版予定), (1999)
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[Publications] 池上 恵子: "(翻訳)J.S.リーチ著「現代英語文法コミュニケーション編」" 東京:紀伊国屋, 568 (1998)
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[Publications] 田辺春美(共著): "Collocational and Idiomatic Aspects of Composite Predicates in the History of English.ed.Brinton & Akimoto" Amsterdam: John Benjamins(予定), (1999)