1999 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド地震応答実験の高度化による高機能鋼製橋脚の開発に関する研究
Project/Area Number |
10555154
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宇佐美 勉 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50021796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛 漢彬 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (90262873)
岡本 隆 NKK基盤技術研究所, 都市工学研究部, 研究部長(研究職)
伊藤 義人 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (30111826)
葛西 昭 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (20303670)
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Keywords | 橋梁システム / 耐震設計 / 残留変位 / 逆L型橋脚 / 免震支承 / 機能保持 / 損傷度 / 崩壊 |
Research Abstract |
本年度は,鋼製橋脚の中でも高い耐震性能を有するハイダクティリティー鋼製橋脚において,研究課題として注目すべき点であった,地震終了後の橋脚の残留変位を低減する方法の1つである免震支承の導入について検討を行った.まず,既に構築されている鋼製橋脚用のハイブリッド地震応答実験手法を基に,免震支承を有する鋼製橋脚に対する実験手法を確立した.これまでの実験設備を大きく変えることなく行うことが可能な点がこの実験手法の特色である.これに対して,実験手法の妥当性を検証するために,2自由度系の解析モデルを作成し,地震応答解析によって妥当性の検証を試みた.特に,ハイブリッド地震応答実験では,高次モードを表現することが難しいが,解析によって1次モードの卓越性を検証することで,実験手法の妥当性を検証した.また,免震支承は大きく変形することによって,橋脚に上載される荷重が偏心することが予想される.その結果,橋脚基部には付加的な曲げモーメントが発生する.そこで,この効果(P-Δ効果)を考慮することが可能な解析モデルの構築も行った.これらは,実験結果との照合を行っており,その結果,より実挙動に近い評価を簡便に行うことが可能となった.本年度では,免震支承を有する鋼製橋脚のハイブリッド地震応答実験を行うなどの高度化を行ったが,鋼製橋脚に対して制震デバイスの設置,あるいは単柱形式のみではなく,連続化されている橋梁システムに対する検討などの高度化に課題を残している.
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[Publications] 中島大輔,宇佐美勉,金田一智章: "免震支承を有する鋼製橋脚のハイブリッド地震応答実験"土木学会 地震工学委員会 第25回地震工学研究発表会講演論文集. 733-736 (1999)
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[Publications] 宇佐美勉,金田一智章: "Pushover解析を用いた免震鋼製橋脚の弾塑性地震応答の推定法"土木学会 地震工学委員会 第25回地震工学研究発表会講演論文集. 761-764 (1999)
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[Publications] 中島大輔,葛西昭,宇佐美勉: "免震鋼製橋脚の1自由度系ハイブリッド実験に関する妥当性の検討"土木学会 地震工学委員会 第3回地震時保有耐力法に基づく橋梁の耐震設計に関するシンポジウム講演論文集. 127-134 (1999)
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[Publications] 宇佐美勉,清川昇悟,葛西昭: "P-△効果を考慮できる免震支承の解析モデル"土木学会 地震工学委員会 第3回地震時保有耐力法に基づく橋梁の耐震設計に関するシンポジウム講演論文集. 143-150 (1999)
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[Publications] 中島大輔,宇佐美勉,葛西昭,金田一智章: "免震鋼製橋脚のハイブリッド地震応答実験手法の妥当性に関する検討"土木学会 構造工学論文集(2000年3月発行予定). Vol.46A. (2000)
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[Publications] 宇佐美勉,清川昇悟,金田一智章: "P-△効果を考慮した免震鋼製橋脚の弾塑性地震応答の簡易推定法"土木学会 構造工学論文集(2000年3月発行予定). Vol.46A. (2000)