1998 Fiscal Year Annual Research Report
取り替えのできる橋梁床版のプレキャスト化に関する研究
Project/Area Number |
10555157
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
浜田 純夫 山口大学, 工学部, 教授 (30164908)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 宗人 (株)ピー, エス技術研究所, 所長(研究職)
松尾 栄治 山口大学, 工学部, 助手 (10284267)
|
Keywords | RC床版 / 移動輪荷重 / 疲労強度 / 定点疲労 / 鉄筋ひずみ / 破壊面ひび割れ |
Research Abstract |
本研究では,RC床版の破壊要因として輪荷重の繰返し載荷に着目し,疲労破壊機構に関する実験的研究を行った。今年度は静的試験,定点疲労試験,移動疲労試験を200×150×10cmの床版を対象に実施した。測定項目は,荷重,内部鉄筋のひずみ,破壊面の観察,疲労破壊回数などである。まず静的押抜きせん断強度は14.5tfであったことに基づいて,その40,44,50%の荷重において移動疲労試験を行った。 その結果,破壊回数はそれぞれ12万5446回,1万2932回,2万6786回であった。これは床版の定点疲労試験に関する既往結果と比較した場合,かなりの疲労強度の低下を意味する値であった。すなわち,定点疲労試験では実際の荷重形態を考慮した場合の再現ができていないことが判明した。しかしながら供試体数がまだ少ないため,今後もさらに追加試験を行う必要がある。 しかしながら,当初は今年度中に定点疲労試験を15供試体,移動疲労試験を1供試体行う予定であったことから考えると,順調な経過といえる。しかしながら定点疲労試験においては試験機が故障し,修理に長時間かかったことなどのトラブルが発生し,予定の供試体数を消化できなかった。よって来年度に追加実験を行うこととした。 また,床版下面のひび割れは,走行回数の増加に伴って格子状のパターンを形成し,ひび割れ幅はコンクリートのひび割れ面内部の摩擦によっても大きくなることがわかった。これは定点疲労試験の場合とは全く異なる挙動であり,これらのことが疲労強度の低下につながるものと考えられる。内部鉄筋のひずみについては,走行回数1,000回から1万回において急激なひずみ増加が確認され,内部ひび割わの進展が著しい走行回数の範囲が推察された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Sumio HAMADA: "Mechanical behaviors and design concept of the prestressed precast slab joint" Proceedings of the 13th FIP Congress. 1. 191-196 (1998)
-
[Publications] 松尾栄治: "PC床版の継手部分の押抜きせん断耐力に関する実験的研究" コンクリート工学年次論文報告集. 20・3. 457-462 (1998)
-
[Publications] 浜田純夫: "プレキャスト床版の合成構造継手部の開発に関する研究" 第1回鋼橋床版シンポジウム講演論文集. 177-182 (1998)
-
[Publications] 高海克彦: "個別要素法によるRC床版の押し抜きせん断耐力" 第1回鋼橋床版シンポジウム講演論文集. 67-70 (1998)
-
[Publications] 大田孝二: "鋼橋床版の性能照査型設計法とその課題" 第1回鋼橋床版シンポジウム講演論文集. 89-94 (1998)
-
[Publications] 松尾栄治: "継手部を補強したPC床版の押抜きせん断強度に関する研究" 土木学会第53回年次学術講演会講演概要集. V. (1998)