Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 温 京都大学, 防災研究所, 助手 (30293963)
森山 聡之 九州大学, 工学部, 助手 (50136537)
近藤 昭彦 千葉大学, 環境リモートセンシングセンター, 助教授 (30201495)
大手 伸人 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10233199)
砂田 憲吾 山梨大学, 工学部, 教授 (20020480)
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Research Abstract |
本文・水資源データベースの構築とそのネットワーク共用化体制の確立のために,その前提となる観測データの供給について,研究者の認識を調査した. 先に示された,水文・水資源学会の水文・水資源観測データ小委員会による三つの提言,1. データの公開のために論文にはデータの目録を掲載する,2. 情報処理体制を整え,データベースを構築しインターネット等で公開する,3. データベース構築に関する研究価値の付与を確立する,のうち第三の項目の促進のために学術データベースの提供の実態を調べた.このなかで特に,観測を主に研究の中心におく研究者,それら観測データの解析に研究の中心におく研究者を対象として,アンケート調査・意見聴取を行い,以下の点が明らかになった. まず,観測データ提供についての消極的・否定的側面として,提供で具備すべき一般化されたフォーマットが未整備であること,労力(時間や創意)投入による観測成果の独占志向が無視できないこと,観測方法疑念に伴うデータの信頼性不十分のために躊躇があること,観測結果のみの研究成果に対する評価が矯小化されたきたこと,データベースの構築そのものに対する研究評価の矯小化が依然として若干存在すること,データ取得者自身による解析の後に公開が予定され,結果としてデータ提供が減少すること,などが得られた. 一方,こうした状況の中でのデータ提供推奨の方策としては,観測・調査データ提示の場合,データの位置づけ・限界を明示させた後「学術研究論文」とみなす,データベース構築の場合,その利用方法・注意を明示させた後「学術研究論文」とみなす,上記について,関係委員会,論文集編集方針等で評価を明言し推奨する,データの質や取り扱いをランクづけする,データ提供・格納フォーマットの系統化と単純化を進める,系統的巨大データベース構築ための経費を予算化するなどの提案が多数を占めた.
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