1998 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧低温プラズマ重合装置の開発と高分子表面処理への応用
Project/Area Number |
10555324
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鯉沼 秀臣 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (70011187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 康彦 東洋大学, 工学部, 教授 (80134500)
加藤 信子 株式会社ブリヂストン, 研究開発本部・研究部1部
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Keywords | 大気圧プラズマ / コンビナトリアルプラズマプロセス / プラズマ表面処理 / プラズマ重合 / プラズマCO_2固定 |
Research Abstract |
1 大気圧低温シャワー型プラズマ発生装置の作製 大気中に大面積にプラズマを発生させることを目的として、アルミニウム製のカソードの形状をガスが円形状カソード電極中心から放射状にプラズマ発生部に吹き出すシャワーヘッドにした。アノード部分については導電性があり、接地されているものであれば材質は問はない。RF(13.56MHz,20-80W)、電極間距離0.5-2.5mm、プラズマを発生させるガスとしてHeガス(400sccm以上)の条件で容量結合プラズマの発生を確認した。ざらにHeガスで放電させてからHeガスをArガスに変換することにより、Arガス100%の条件下でも放電の維持が可能であることを見いだした。いずれの条件においてもプラズマガス温度が100℃以下のソフト(超低温)なプラズマが発生する。 2 コンビナトリアル大気圧低温プラズマ処理システムの試作 100℃以下のソフトなプラズマの利点を生かし、高分子膜の表面を種々のプラズマ条件下で効率よく処理するための装置を試作した。高分子フィルムを両サイドに設置したローラーでアノードに接しながらステッピングモーターにより巻き取りつつ、プラズマ表面処理を行う。その上部にスリットの開いたマスクを置き反応条件の変化と同期することにより、一連の実験で連続的な表面処理ができるコンビナトリアル装置である。 3 大気圧低温プラズマを用いた有機薄膜中へのCO_2固定の検討 上記シャワー型装置で発生するプラズマのソフトな特性を活かし、有機モノマーのプラズマ重合やCO_2との反応によるCO_2固定について検討した。有機モノマーはブタジエン、イソプレン、スチレン、エポキシおよびイミン系化合物を用いた基板にはn-Siを用いた。ガスはHeガスにモノマーガスおよびCO_2ガスを混合し装置に導入した。実験の結果、全ての有機モノマーから薄膜が形成された。またCO_2ガスを添加した薄膜のFT-IRから、CO_2はカルボニル基またはカルボキシル基として取り込まれていることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)