1998 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス殺虫剤創製のための昆虫ウイルス遺伝資源の特性解明
Project/Area Number |
10556009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
国見 裕久 東京農工大学, 農学部, 教授 (50195476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 千枝 農林水産省農業研究センター, 病害虫防除部, 主任研究官
永田 昌男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70107407)
橋本 義文 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (60211471)
小林 迪弘 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60111837)
仲井 まどか 東京農工大学, 農学部, 助手 (60302907)
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Keywords | 微生物的防除 / 昆虫ウイルス / ウイルス殺虫剤 / 病原性 / 宿主範囲 / 遺伝資源 / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は、農林害虫として極めて重要な約20種類の昆虫を取り上げ、これら昆虫から分離されているウイルスについて、殺虫活性、宿主範囲、昆虫体および培養細胞における増殖特性、ウイルス純化とその遺伝子構造を解明することを目的としている。本年度に得られた結果の概要は下記のとおりである。 1) 茶樹の害虫であるチャノコカクモンハマキから新たに分離された核多角体病ウイルス(AhNPV)の殺虫活性を調査した結果、1齢幼虫のLC_<50>値が5×10^4多角体/mlと推定された。また、AhNPVはチャハマキ、チビコカクモンハマキに病原性がないことが明らかとなった。一方、チャノコカクモンハマキから分離された昆虫ポックスウイルス(AhEPV)は、茶樹のハマキガ類すべてに病原性を有することが明らかとなり、ウイルス殺虫剤の素材として有望であることが示唆された。 2) アメリカシロヒトリのNPVについて、プラーク法によるクローニングを行ったところ、遺伝的に異なるクローンを得ることができた。今後、これらクローンの病理学的特性を解明する予定である。 3) シロモンヤガの顆粒病ウイルス(GV)の遺伝子の構造を調査したところ、本ウイルスにはEGT遺伝子がないことが明らかとなった。 4) コナガGVの遺伝子の構造を調査したところ、ゲノムサイズが他のBaculovirusと比べて小さいことが明らかとなり、さらにゲノムの約80%の塩基配列を決定した。
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[Publications] Kunimi,Y.: "Granulovirus-infected larvae of Pseudaletia separata produce factor(s)toxic to a braconid endoparasitoid,Cotesia kariyai" Applied Entomology & Zoology. 34(印刷中). (1999)
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[Publications] Kyei-Poku,G.K.: "Effect of entomopoxvirus infection in Pseudaletia separata on the development of a pupal parasitoid,Brachymeria lasus" Applied Entomology & Zoology. 34. 49-56 (1999)
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[Publications] Nakai,M.: "Effects of the timing of entomopoxvirus administration to the smaller tea tortrix,Adoxophyes sp.on the survival of the endoparasitoid,Ascogaster reticulatus" Biological Control. 13. 63-69 (1998)
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[Publications] Sakurai,M.: "Virulence of Autographa californica nucleopolyhedrovirus infection of non-permissive cultured cells of the silkworm,Bombyx mori." The Journal of Sericultural Science of Japan. 67. 211-216 (1998)
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[Publications] Goto,C.: "Genome organization of Xestia c-nigrum granulovirus" Virus Genes. 16. 199-210 (1998)
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[Publications] Kunimi,Y.: "Insect Viruses and Pest Management." John Wiley & Son, 620 (1998)