1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規なプロテアーゼの血栓溶解酵素製剤としての実用化と機能性食品の創造に関する研究
Project/Area Number |
10556023
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
中島 伸佳 岡山県立大学, 保健福祉学部, 講師 (10198070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 薫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (10101239)
杉本 学 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (20216336)
石原 浩二 京都教育大学, 理学科, 助手 (50273537)
浜田 博喜 岡山理科大学, 理学部, 教授 (10164914)
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Keywords | Serine protease / Earthworm / Fibrinolytic enzyme / Gene cloning / degradation / DNA sequence / Lumbricus rubellus / autolysate |
Research Abstract |
我々は、血栓症治療、産業廃棄物の分解処理、あるいは、機能性食品の創造等に応用利用するための新規な酵素的方法の開発を目的に、各種の未利用生物資源由来の多機能なプロテアーゼ(血栓溶解酵素)のスクリーニングを実施し、「地龍」と称する漢方薬の原料でもあるミミズ細胞(Lumbricus rubellus)から、非常に安定、かつ、強力な線溶酵素(セリンプロテアーゼ)の単離精製に成功した、また、同時に、その酵素化学的性質や反応機構の詳細な解析を行ってきた。 本年度は、特に、本酵素遺伝子のクローン化と活性発現、並びに、DNAの構造解析を中心に研究を実施した。まず、本酵素タンパク質のアミノ酸配列分析から得られた一次構造を基に、何種類かのDNAプローブを作成し、PCR法により、m-RNAからc-DNAを合成した。そのc-DNAを挿入したベクタープラスミドを構築し、大腸菌や酵母細胞をホストとした本酵素遺伝子の発現を試みた。その結果、ピシア酵母をホストとする活性発現システムにより、ミミズ細胞中の酵素活性と比較して、タンパク質1mgあたり、約10倍の高いプロテアーゼ活性が、酵母培養液中に見い出された。本遺伝子の全塩基配列を解析した結果、トリプシン等と高い相同性を有しており、塩基配列から算出された本酵素の分子量は、約3万であった。また、キモトリプシンのX線結晶解析データーを用いて想定された本酵素の高次構造は、「ベーター構造」に富むタンパク質分子であり、本酵素の高い安定性を裏づける貴重な情報が得られた。 さらに、本酵素作用が関与するミミズ細胞自己消化エキスを調整し、抗酸化性を有するその醤油様成分の成分分析を行い、また、ミミズ自己消化エキスの微生物培養液中での、ペプトンの代用効果を、その応用例のひとつとして実証した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Nakajima,Y.Matsuura,et.al.: "Degradation of Pectic Substances by Two Pectate Lyases from a Human Intestinal Bacterium,Clostridium"J.Biosci.Bioeng.,. 88(3). 331-333 (1999)
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[Publications] N.Nakajima,M.Sugimoto,et.al.: "Further Characterization of Earthworm Serine Protease:Cleavage specificity against Peptide Substrates and on Autolysis"Biosci.Biotech.Biochem.,. 63(11). 2031-2033 (1999)
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[Publications] K.Ishihara,N.Nakajima,et.al.H.Hamada,: "A Chemoenzymatic Synthesis of Aromatic Carboxylic Acid Vinyl Esters"J.Mol.Catal.B:Enzymatic. 7. 307-310 (1999)
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[Publications] T.Matsuda,N.Nakajima,K.Nakamura,et.al.: "Two classes of Enzymes of Opposite Stereochemistry in an Organism"J.Org.Chem.. 65. 157-163 (2000)
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[Publications] K.Ishihara,N.Nakajima,et.al.H,Yamaguchi,: "Sterocontrolled Reduction of α-keto esters with Themophilic Actinomycete,Streptomyces thermocyaneoviolaceus"J.Mol.Catal.B:Enzymatic. 8(in press). (2000)
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[Publications] K.Ishihara,N.Nakajima,et.al.H,Yamaguchi,: "Asymmetric Reduction of α-keto esters with Thermophilic Actinomycete:Purification and Characterization"J.Mol.Catal.B:Enzymatic. 8(in press). (2000)