1999 Fiscal Year Annual Research Report
地球レベルでの環境変動に耐性なイネ遺伝子資源データーベースの構築
Project/Area Number |
10556075
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 雅志 東北大学, 遺伝生態研究センター, 助教授 (40134043)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 郁郎 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50207867)
山谷 知行 東北大学, 農学部, 教授 (30144778)
亀谷 壽昭 東北大学, 遺伝生態研究センター, 教授 (70006013)
福田 善通 農林水産省, 北陸農業試験場, 主任研究官
|
Keywords | イネ / 量的遺伝子座(QTL) / 耐性 / 葉身の枯れ上がり / 施肥量 / 休眠発芽 / 分子マーカー / 遺伝解析 |
Research Abstract |
今年度も、主にアキヒカリと密陽23号とのRILおよび日本晴とKasalathとの戻し交雑後代であるBILを、量的遺伝子座(QTL)の解析に用いた。解析対象とした形質は、紫外線(UV-B)耐性(佐藤)、大気二酸化炭素上昇下でみられる登熟時期における葉身の老化(佐藤、山谷)、穂発芽耐性に関わる種子の発芽、休眠性及び寿命(佐藤、中村)、収量を構成している形質への施肥効果(穂数、一穂粒数、粒形、稔性等)(佐藤、福田)、出穂性(福田、佐藤)、GS1、GOGAT酵素含量、葉身の可溶性タンパク含量(山谷)、耐塩性(亀谷)である。紫外線耐性に関してはBILを用いて、新たに第2染色体上にQTLの存在する領域が検出された。第10染色体上のQTLに関しては、座位の詳細な解析を進めている。種子の休眠、発芽性および寿命に関係するQTLに関しては、BILおよびRILを用いて解析をすすめ複数の染色体上に複数のQTLが見出された。登熟時期の葉身の老化に関わるQTLについてはBILを主に用いて解析をすすめ、複数の染色体上にQTLが見出されている。同時に窒素の転流に関わるGS1およびGOGAT含量に関わるQTLについても解析を進め、葉身の老化に関わるQTLと同じ領域にQTLが存在することを見出している。また穂形質との関係では粒の大きさに関係するQTLも、葉身の老化に関わることを見出した。出穂性に関してはRILを用いた過去4年間における日本の複数の地域で得られたデータから、地域および年次に依存して検出されるQTLが見出されている。耐塩性に関するQTL解析は、昨年と同様に遺伝生態研究センターの湛水野外生態系実験施設の塩耐性試験田において進め、複数のQTLの存在する領域を検出した(亀谷)。
|
-
[Publications] Obara M.: "High content of cyto solic glutamine synthetase does not accompany a high activity of the enzyme in rice (Oryza sativa L.) leaves of indica cultivars"Physiol Plant.. 107. 8-15 (2000)
-
[Publications] Nakamula I..: "Clx different plastid subtypes were found in O. sativa-0. Rufipogon complex"Rice Genet.Newslett.. 15. 80-82 (1998)
-
[Publications] 福田善通: "密陽23/アキヒカリのRI系統群を用いたイネいもち病抵抗性に関するQTL解析"北陸作物学会報. 34. 90-93 (1999)
-
[Publications] 荒川明: "DNAマーカーを用いたイネの密陽23号/アキヒカリRI系統群における芒長に関するQTL解析"北陸作物学会報. 34. 94-96 (1999)