1999 Fiscal Year Annual Research Report
環境汚染物質による高次情報伝達機能障害の評価法の開発-遺伝子および中枢神経系の情報伝達制御金属を指標として-
Project/Area Number |
10557039
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 健 北海道大学, 医学部, 助教授 (40153811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 明 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00244541)
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 助教授 (00157025)
高橋 恭子 北海道大学, 医学部, 助手 (50292008)
森本 兼曩 大阪大学, 医学部, 教授 (20143414)
藏崎 正明 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (80161727)
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Keywords | 環境汚染物質 / 高次情報伝達機能 / 障害評価 / 中枢神経系 / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では、環境汚染物質による生理機能障害の良い評価法が存在しないこと、微量元素が生体内情報伝達機構で重要な役割を担うことに注目し、 1.DNAとその制御に係わる微量元素代謝系、2.中枢神経情報伝達とその制御に係わる微量元素代謝系の二つの評価システムを作成し、これらを用いた環境汚染物質による生体内情報伝達機能障害の評価法を開発することを目的とする。 本年度の研究で得られた主な成果は、以下のごとくである。 環境汚染物質の神経細胞分化機能に対する影響評価:内分泌撹乱化学物質として知られているビスフェノールAおよびトリブチルスズを、神経細胞の分化のモデルとして使用されるPC12細胞に添加し、神経突起の成長に対する影響を調べた。その結果、両化学物質ともppbオーダーの濃度で、神経突起の成長を阻害することが明らかとなった。 また、微量のトリブチルスズは、PC12細胞のアポトーシスの発現にも影響をおよぼすことが明かとなった。 これらより、PC12細胞を用いた細胞分化に対する化学物質の影響評価法を確立した。また、この評価法は、環境汚染物質による分化機能障害の発生機構の解明にも有効であることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 齋藤 健: "環境と生体内微量元素"北海道医報生涯教育シリーズXI「環境と健康」. 917. 6-8 (1999)
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[Publications] 齋藤 健 他: "化学物質過敏症「環境応答・適応の分子機構」"蛋白質 核酸 酵素. 44. 2529-2533 (1999)
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[Publications] Hosokawa T., et al.: "Effect of steroid on the confocal imaging of dendritic spines in the living hippocampal slice"Society for Neuroscience Abstracts. 25(1). 1269 (1999)
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[Publications] Nakamura, N., et al.: "Analysis of activation in anterior cingulate cortex during cognitive process of selection following somatosensory stimuli : fMRI study with elaborate task paradigms"Magnetic Resonance Imaging. (in press).
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[Publications] 齋藤 健: "生命(いのち)-テクノロジーと論理-"北海道大学図書刊行会、札幌. (in press)