1999 Fiscal Year Annual Research Report
肝移植後拒絶反応におけるkupffer細胞の役割の解明
Project/Area Number |
10557108
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
土井 秀之 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90188839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織井 崇 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20282048)
標葉 隆三郎 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (20192106)
大河内 信弘 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40213673)
中鉢 誠司 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90302108)
関口 悟 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20312580)
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Keywords | クッパー細胞 / マクロファージ / 肝移植 / 拒絶反応 |
Research Abstract |
異系ラット間肝移植モデルにおいて、リポソーム包埋クロドロネートを投与し、クッパー細胞・マクロファージを消去・減少させることの生着延長効果を検討し、アロ肝移植後免疫におけるクッパー細胞・マクロファージ系細胞の役割を解析した。実験群として、無処置肝グラフトを移植するA群、クッパー細胞除去肝グラフトを移植するB群、クッパー細胞除去肝グラフト移植後リポソーム包埋クロドロネートを2回投与するC群、無所置肝グラフト移植後レシピエントにリポソーム包埋クロドロネートを2回投与するD群、無処置肝グラフト移植後レシピエントにリポソーム包埋クロドロネートを少量頻回するE群の5群を作成し、生存期間を観察した。その結果、C群で5例中3例が150日以上の生着期間を示し、他の群に比し有意に生着延長した。この生着延長した2例に、2次グラフトとして皮膚移植を行った結果、死亡するまで生着した。生着延長の認められたC群では、拒絶反応が術後12病日間で出現するが、以後消退し、血清ビリルビンの低下や細胞浸潤の減少が認められた。一方、門脈周囲の線維化が著名に出現した。他の群では、活性化した単球・マクロファージを認識する抗体ED1,ED2の両陽性細胞が多数出現し、増加しつづける。これに対し、C群ではこれらの細胞は2週目以降減少する。これらの実験結果より、ドナー由来のクッパー細胞・マクロファージを減少させる操作のみでは、拒絶反応の抑制はできなかった。しかし、この操作にレシピエントにリポソーム包埋クロドロネートを術後投与することにより、レシピエント由来肝内浸潤するマクロファージ系細胞をげんしょうさせることが、肝グラフトの生着期間を有意に延長させることが示された。
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