2000 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性膀胱機能障害患者に対する内視鏡下電気刺激法の開発-排尿障害診断・治療とその機序の解明に関する研究-
Project/Area Number |
10557141
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
筒井 寿基 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (20283012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波田野 彰彦 新潟大学, 医学部, 助手 (00242404)
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Keywords | 神経因性膀胱 / 電気刺激 / 内視鏡 / ブタ |
Research Abstract |
膀胱への電気刺激による排尿反射の誘発について検討した。兎による電気刺激は膀胱が小さく、開腹による侵襲が大きくかつ膀胱内圧測定のモニタリングがうまくいかなかったため、実験データとして得るものは残念ながら無かった。また、当初予定していた石英ファイバーによる内視鏡を用いた経尿道的電気刺激実験は兎では、ファイバースコープの径が大きすぎるため使用できなかった。そこで再度実験計画を変更しブタを用いた膀胱への電気刺激を行うこととした。ブタによる実験は1頭のみの施行となった。刺激経路については、膀胱璧外からの刺激法として、開腹による方法、腹腔鏡下での方法があり、一方、膀胱粘膜側からの刺激法として石英ファイバースコープを用いた経尿道的膀胱電気刺激があげられる。兎での経験を踏まえて刺激法として今回は腹腔鏡下膀胱筋層刺激とした。刺激電極は腹腔鏡操作により、膀胱側壁2時と10時に埋め込み、膀胱内に予め約100mlの生理食塩水を注入した。石英ファイバースコープを経尿道的に挿入し、刺激電極が膀胱内に出ていないことを確認した後、膀胱内圧測定用カテーテルを経尿道的に挿入した。排尿反射誘導の至適条件は刺激頻度20Hz、刺激pulse時間2.5msec、刺激電流70mA、刺激持続時間15secであった。この条件により100cmH2Oの膀胱排尿筋収縮を確認できた。刺激電流50mA以下では、排尿筋収縮は得られず、100mAでも70mAと同様の結果であった。刺激頻度を100Hzとするとブタの体が激しく振動したため、膀胱内圧測定ができない状態となり、実験中死亡した。当初、電気刺激ど数日飼育した後屠殺して膀胱を摘出し、early appearing proteinなどについて免疫組織学的に検討する予定であったが、施行不能となった。本研究は3年間で臨床応用を目指すのもであったが、今後に課題を残す形で終了した。
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