1998 Fiscal Year Annual Research Report
Fibrointegrated implantの開発
Project/Area Number |
10557160
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
井上 孝 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (20125008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 芳郎 日本真空技術(株), 筑波超材料研, 専門室長
岸 好彰 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (60084779)
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (90260819)
吉成 正雄 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (10085839)
下野 正基 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085771)
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Keywords | Dental implant / Fibro-integration / fibroblast / pore size / SEM / in vitro / pori-implautitis |
Research Abstract |
現在の歯科および顎顔面再建用インプラントは、強固な骨結合の獲得にその成否がかかっており、それが達成されたインプラントでも天然歯に比べて軟組織の防御機構が存在しないため、peri-implantitisが惹起されやすく、常に脱落の危険性を秘めている。つまり、上皮下結合組織の強固な結合は、骨吸収を防止するためにも、上皮や細菌の侵入の防止するためにも重要である。そのために、シャーピィ線維用の構造を付与することで、peri-implantitisに抵抗できる構造(Fibrointegration)を目指し平成10年度には次のような知見を得た。先ず、細胞がインプラント材に接着しコラーゲンを分泌するために適切な表面性状を調べるために、付与された孔径が細胞の伸展にどのような影響を与えるかを検索した。実験に用いた線維芽細胞はマウスL-929株細胞で、材料には0.45μm,1.2μm,3.0μm,5.0μmおよび8.0μmの5種類の異なる孔径を持つミリポアフィルターを用いた。その結果、基質の孔径は細胞の伸展に重要な影響を与えることが示唆され、その大きさは3.0μmが分岐点であると考えられた。次ぎには、細胞が伸展し、かつ線維を作り出したものがシャーピィ線維様にならなくてはいけないので、線維芽細胞が侵入する適当な孔径を検索する必要があり、我々は、同様にL929株細胞を用いて、直径が10μ,20μm,30μm,50μmおよび80μmの孔を持つインプラントを用いて検索した。実験は前者と同様の方法で行なった。その結果維芽細胞が侵入しインプラントと垂直に配列するCriticalなポアサイズは直径50〜80μm付近にあることが判明した。つまり、表面形状としては表面に3μm程度の凹凸をもち、孔径としては50μm以上の孔を持つインプラントが、シャーピィー繊維状様組織を形成するために有効であるという情報が得られた。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] Inoue,T. et al: "Immunolocalization of proliferating cell nuclear antigen in the peri-implant epithelium." Bull. Tokyo Dent. Coll.38. 187-193 (1997)
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[Publications] Ayukawa,Y.et al.: "An Immunocutochemical study for lysosomal cathepsins Band D related to the intracellular degradation of titanium at the bone-titanium interface" J. Periodontol. 69. 62-68 (1998)
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[Publications] Ayukawa,Y. et al: "An immunoelectron microscopic localization of non collagenous bone protein at the bone-titanium interface of rat Abia" J. Biomed. Mater. Res. 41. 111-119 (1998)
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[Publications] Yoshinari,M.et al: "Solubility control of thin carcium-phosphate coating with rapid heating" J. Dent. Res. 76・8. 1485-1494 (1997)
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[Publications] Yoshinari.M.et al: "Influence of rapid hearting with infrared radiation on RF magnetron sputtered calcium phosphate coatings" J. Biomed. Mater. Res. 37・1. 60-67 (1997)
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[Publications] 今西泰彦,他: "ハイドロキシアパタイトコーティング-インプラント材の溶解特性" 生体材料. 16・3. 133-144 (1998)
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[Publications] 井上孝、他: "歯科インプラントと生体骨組織との界面-表面構造の影響-" 表面技術. 49・7. 682-689 (1998)
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[Publications] Endo,K.et al: "Corrosion resistance and biocompatibility of high nitroden-beating stainless steels." Zyryo-to-Kankyo. 47. 570-576 (1998)
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[Publications] 安彦善裕: "歯科インプラントと生体軟組織との界面" 表面技術. 49・7. 689-694 (1998)
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[Publications] 吉成正雄・井上孝: "歯科インプラントの将来像" 歯科医療. 12. 59-69 (1998)
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[Publications] 岸 好章、他: "二重レジン鋳型法を用いたイヌ顎下腺終末部と導管系における微小血管構築に関する研究" 神奈川歯学. 32・3,4. 205-215 (1998)
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[Publications] 岸 好章、他: "微小循環と歯科インプラント周囲組織" 表面技術. 49・7. 696-701 (1998)
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[Publications] 井上孝(共著): "口腔インプラントの臨床" 医学情報社, 219 (1998)
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[Publications] 井上孝、武田孝之: "インプラントがよくわかるQ&A70" 医学薬出版株式会社, 192 (1998)