2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10558014
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
小松 幸廣 国立教育政策研究所, 教育研究情報センター, 総括研究官 (50241229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益子 典文 鳴門教育大学, 教育方法講座, 助教授 (10219321)
坂谷内 勝 国立教育政策研究所, 教育研究情報センター, 総括研究官 (70187053)
吉岡 亮衛 国立教育政策研究所, 教育研究情報センター, 総括研究官 (40200951)
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Keywords | 科学教育 / 教具 / 実験 / 観察 / 計測 / 環境教育 / データロガ |
Research Abstract |
1.平成12年度における携帯型実験観察情報収集装置の研究開発の流れ (1)実験・観察情報収集装置を用いた授業の立案と実施:気象情報や大気汚染、水質汚染、土壌汚染等の環境情報について教材化を検討した。身近で比較的学習者の理解が得られやすい測定項目を取り上げ、携帯型の実験観察情報収集装置を利用した情報収集の可能性について検討した上で授業計画を立てた。授業は小中学校各1校で実施した。 (2)最終仕様の検討:これまで開発をしてきた装置の機能、性〓について具体の授業計画に照らして検討を加えた。教材に合わせて実現すべき機能をまとめた。その結果から、必要なセンサーの選定と実装方法について検討、試作した。 (3)最終仕様機の製作:最終試作機の仕様を作成し、10台を製作した。これまでに試作した装置についても最終仕様に改良を行った。(計22台) (4)実験・観察情報収集装置の評価:実験・観察情報収集装置を用いた授業を小、中学校各1校において実施、装置及び教材の評価を行った。 2.本年度行った携帯型実験観察情報収集装置の開発研究により、実現した機能と得られた知見 (1)センサーの追加はあったが筐体は第一次試作と同様の大きさ90×135×34mm(強化樹脂製)に納めた。装置の実用化(ポケットに入れての可搬)には更に小型化する必要がある。 (2)電源は単3アルカリ乾電池2本で2時間30分の連続動作を実現した。20分程度の休止を入れた使用では5時間程度の動作が可能であった。実際の授業では7〜8時間以上の動作が理想と考える。今後更に省電力化対策を施す必要がある。 (3)測定機能として温度、照度、紫外線強度、ph、Nox、簡易比色計、放射線量、タイマー、カウンタを実現した。このうち温度、紫外線強度、照度、タイマー、カウンタを本体内蔵とした。 (4)簡便な操作性を実現するために数字キーを省略し、メニューと日本語ガイダンス機能による階層構造とした。その結果操作キーは7個となった。 (5)パソコン及びプリンタとの接続は赤外線通信とした。これにより配線が不要となったため授業での操作が簡略化できた。しかし現状のパソコンは赤外線から無線LANに移行しつつあり、今後無線化についての検討が必要である。 (6)装置の評価として車の排ガスと大気汚染、紫外線と生物の教材を取り上げ授業を実施した。本装置は基礎データの採取に有効な手段であることが明らかになった。
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