2001 Fiscal Year Annual Research Report
双方向通信に基づくリアルタイム地震防災システムの構築
Project/Area Number |
10558062
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
土岐 憲三 京都大学, 工学研究科, 教授 (10027229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 純男 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70187293)
清野 純史 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00161597)
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027294)
盛川 仁 鳥取大学, 工学部, 助教授 (60273463)
能島 暢呂 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20222200)
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Keywords | 双方向 / リアルタイム地震防災 / 被害関数 / 地理情報システム / 情報更新 / 地震防災システム / ライフライン / データベース |
Research Abstract |
1995年兵庫県南部地震によって阪神・淡路地域では甚大な被害を受けた。その際,被害状況がなかなか把握できず,地震直後に十分な対策を講ずることができなかった。被害状況を把握するために,行政,自衛隊,ライフライン事業者等がそれぞれ被害の緊急調査を行なっているが,お互いの情報を交換して活用するには至っていない。すなわち,各機関単位では最適な行動を行なっているにも拘わらず,全体としては無駄が多い結果となっている。また,情報の伝達において,加入電話のアナログ回線は十分に活用できなかったものの,NTTのディジタル回線やインターネットによる通信はその冗長性を活かしてほとんど途絶しなかったことが知られている。 本研究では,各機関本部が独自に集めた情報で被害推定を行って対策を立て,その結果を現場に反映させるだけではなく,現場の情報端末から各種被害情報を吸い上げて生の情報を収集し,その結果を緊急対応や応急復旧にフィードバックするようなシステムを提案することを目標として,以下のような成果を得た。 (1)開発した要素技術の集約 今までに開発した,時々刻々と変化する情報を更新するためのアルゴリズムや地理情報システム(GIS)を用いた視覚的な表示技術,ユーザーの利用形態を勘案したユーザーフレンドリーなインターフェース開発等,これまでに得られた要素技術を集約した。 (2)各種被害関数の提案・統合 リアルタイム地震防災には,被害推定のための各種被害関数が不可欠である。これまでに構築した被害関数を統合し,入力情報が得られたらすぐに必要な被害情報が得られるようにデータベースの統合を図った。 (3)地震防災システムの提案 ライフライン事業者や行政における災害対応の詳細な検討に基づき,総合的な見地から最終的なシステムを提案した。
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[Publications] 野田 茂: "震災時における西宮水道機能の時空間変化"第10回日本地震工学シンポジウム論文集. 3199-3204 (1998)
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[Publications] 石田栄介: "JAVAによる都市地震防災GISのインターネットへの展開"第1回リアルタイム地震防災シンポジウム論文集. 117-122 (1999)
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[Publications] 香川敬生: "断層震源と実観測震度を用いた即時地震動分布の推定"第1回リアルタイム地震防災シンポジウム論文集. 71-76 (1999)
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[Publications] Hitoshi MOROKAWA: "Phase Characteristics of Source Time Function Modeled by Stochastic Impulse Train"Proc. of 12th World Conference on Earthquake Engineering. (2000)
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[Publications] 清野純史: "リアルタイム地震防災のための被害情報の逐次更新について"JCOSSAR2000論文集. Vol.4. 209-216 (2000)
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[Publications] 能島暢呂: "被害情報の逐次処理による地震時緊急対応の意思決定支援モデル"土木学会論文集. No.682/I-56. 129-142 (2001)