1999 Fiscal Year Annual Research Report
電気自動車搭載を目的とした固体電解質型燃料電池の高効率化と小型化
Project/Area Number |
10558071
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊原 学 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (90270884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 昭文 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (60006319)
霜垣 幸浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60192613)
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Keywords | 燃料電池 / 電気自動車 / 固体酸化物 |
Research Abstract |
固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)は燃料のギブス自由エネルギーを直接電力に変換する高効率な発電システムであり、大型発電だけでなく、電気自動車用の電源などの小型発電にも期待が高まっている。現在、燃料に水素を用いたSOFCの研究が数多く報告されているが、燃料供給の利便性やさらなる効率の向上を考えると、炭化水素を水蒸気添加せずにドライメタン燃料として用いることが望まれる。その電極開発では燃料を希釈した実験から多くの知見が得られるものと期待できる。しかし、燃料極特性の燃料分圧依存性はそれぞれの報告で異なる依存性が示されている場合が多く、そのメカニズムについてはH_2燃料においても確立されていない。 本年は、ドライメタンを燃料としたSOFC開発の前段階として、燃料にH_2を用いて各燃料分圧、操作温度における燃料極過電圧を測定し、燃料極過電圧のH_2分圧依存性を検討し、すでに報告されている実験結果も含めて全てを説明しうる包括的な燃料極反応機構を提案することを目的とした。 その結果、燃料極では水素、水蒸気及び酸素のニッケル表面での吸着平衡が成立していて、それら吸着種が反応する過程が律速であるとして数式化すると様々な実験結果を説明することができた。長い間この分野での謎とされた燃料極反応機構に対して一つの答えを出したと言える。
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