2000 Fiscal Year Annual Research Report
汎用性c-kitミュータントラットの開発とその利用の展開
Project/Area Number |
10558121
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣田 誠一 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50218856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 秀一 日本エスエルシー(株), 春野支所, 春野支所長(研究職)
森井 英一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10283772)
実宝 智子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70252658)
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Keywords | c-kit遺伝子 / ミュータントラット / Ws / Wsラット / 中枢神経系 / 海馬 / 記憶 |
Research Abstract |
Ws/Wsラットは我々が発見した世界で最初のc-kit遺伝子座のミュータントラットである。c-kit遺伝子座はKITレセプターをコードしており、KITレセプターのリガンドはSCF(stem cell factor)である。SLCで兄妹交配を重ねたWs/Wsラットは一旦、感染により大部分を廃棄することになったが、最近再びSLCで兄妹交配を重ねたWs/Wsラットが増殖してきており、今後安定して供給できるものと思われる。 このWs/Wsラットを用いてKITレセプターの機能異常と中枢神経系の異常の関係について検討した。以前に我々は、SCFとKITレセプターが中枢神経系で比較的広範囲に強く発現していることを示したが、その生理学的意義については不明であった。そこで、このWs/Wsラットを用いて中枢神経系に異常が見られないかどうかについて検討した。Morris maze task法を用いてラットの記憶について検討したところ、Ws/Wsラットでは明らかに記憶障害がみられた。海馬のsliceを用いて電気生理的な実験を行うと、tetanic stimulationによるLTP(long-term potentiation)は明らかに低下していた。SCF-KITレセプターシステムは海馬における記憶の形成に重要な働きをしていることが示された。
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[Publications] Katafuchi T.: "Impairment of spatial learning and nippocampal synaptic potentiation in c-kit mutant rats."Learn Mem.. 7. 383-392 (2000)
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[Publications] Isozaki K.: "germ-line activating mutation in the kinase domain of c-kit gene in familial gastrointestinal stromal tumors."Am J Pathol. 157. 1581-1585 (2000)
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[Publications] Hirota S: "Gain-of-function mutation at extracellular domain of KIT in gastrointestinal stromal tumors."J Pathol. (in press). (2001)