2001 Fiscal Year Annual Research Report
吸収性高分子線維と同種膠原線維束からなる生体同化性ハイブリッド型人工靭帯の開発
Project/Area Number |
10558124
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安田 和則 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20166507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 裕行 北見工業大学, 工学部, 助教授 (80238550)
和田 龍彦 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90002112)
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Keywords | 人工靭帯 / ハイブリッド材料 / 生体吸収性 / 膠原線維 / 靭帯再建術 / 生体材料 |
Research Abstract |
1.臨床的に必要性の最も高い2種類のハイブリッド人工靭帯(前十字靭帯再建用、後十字靭帯再建用)のデザインを行った。また臨床用手術方法を確立した。 2.臨床用人工靭帯(前十字靭帯再建用)のデザイン:2本の生体由膠原線維束を3つ折りにしてループを作り(直径は症例によって7から10mm)、それらを重ねあわせて、両端を2-0ポリ乳酸糸数本を用いて側々結紮縫合しループを形成する.結紮縫合方法は一度針をかけて糸を結んだ後、材料の周囲を2重に巻き付けてからもう一度結紮を行うようにする.大腿骨側にEndobuttonを組み込んだ特別なポリ乳酸繊維製テープを、脛骨側用にこれを組み込まない幅10mmのポリ乳酸繊維製テープを、前述の腱ループに通して2つ折りとし、腱の側々縫合部分を包み込むようにして再度2-0ポリ乳酸糸で結紮縫合を行う.この作製はすべての材料に等しく張力を加えながら行うことが肝要である.この操作のために専用のinstrumentを開発した。こうして吸収性高分子繊維と同種膠原線維束からなる生体同化性ハイブリッド型人工靭帯が作成される。生体由膠原線維束部の長さは60mmになるよう調節する.太さは全体にほぼ均一で個人によって8〜10mmの径を有するが、sizerを用いて個々に直径を測定しておく.術中では後述する大腿骨骨孔長の計測値に基づき、自家腱部の20mmがその骨孔内に入るようにの位置を調節して、テープ同士を5カ所で側々結紮縫合する.この再建材料を用いて再建した膝は約800Nの前方引き出し負荷に耐える. 3.臨床用人工靭帯(後十字靭帯再建用)のデザイン:2本の生体由来膠原線維束で3重折りループに形成した後,幅20mmのポリ乳酸繊維製テープを直列に機械的結合して,ハイブリッド人工靭帯を作成する.手術操作が円滑になるようビニールカバーを移植終了まで除去しないで残しておく.PCL用再建材料には強大な後方引き出し力が作用する.したがって良好な臨床成績を得るためには,生体由来膠原線維束部の径を9mm以上にする必要がある.
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Tomita F.: "Comparisons of Intraosseous Graft Healing Between the Doubled Flexor Tendon Graft and the Bone-Patellar Tendon-Bone Graft in Anterior Cruciate Ligament Reconstruction"Arthroscopy. 17. 461-476 (2001)
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[Publications] Numazaki H.: "The effect of initial graft tension on biomechanical behavior of the Femur-ACL graft-Tibia complex with the flexor tendons. - Comparison using cyclic loading between two arthroscopic procedures"Trans Orthop Res Soc. 26. 143-143 (2001)
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[Publications] Tohyama H.: "Extrinsic fibroblasts infiltrating the in situ frozen patellar tendon synthesize type-III collagen even when a physiological stress is applied to the tendon"Trans Orthop Res Soc. 26. 242-242 (2001)
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[Publications] Azuma H.: "The effect of exogenous TGF-beta and EGF on the mechanical properties of the in situ frozen anterior cruciate ligament influenced by timing of administration"Trans Orthop Res Soc. 26. 248-248 (2001)
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[Publications] Nagumo A.: "Separate administration of TGF-beta inhibits the mechanical deterioration in the in situ frozen anterior cruciate ligament even in absence of simultaneous EGF application"Trans Orthop Res Soc. 26. 804-804 (2001)
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[Publications] 冨田文久: "生体吸収性人工靭帯部を有する膝屈筋腱hybrid代用材料の開発に関する基礎的検討"日本膝関節学会誌. 25. 174-178 (2001)
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[Publications] 安田和則: "前および後十字靭帯複合損傷に対する靭帯再建術の成績-新鮮および陳旧例に対する治療方針-"臨床整形外科. 36. 731-739 (2001)
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[Publications] 近藤英司: "半腱様筋腱および薄筋腱から作成できる移植用自家腱束の直径が分布する範囲"関節鏡. 26. 89-92 (2001)
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[Publications] 青木喜満: "陳旧性前・後十字靭帯複合損傷に対する手術的治療とその問題点"Manthly Book Orthopaedics. 14. 57-64 (2001)
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[Publications] 冨田文久: "生体吸収性Polydioxanoneテープを組み込んだhybrid型人工靭帯骨孔内治癒に関する多角的評価"日本臨床バイオメカニクス学会誌. 22. 89-94 (2001)
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[Publications] 沼崎広法: "In situ凍結解凍処理後前十字靭帯に対する外因性成長因子の効果"日本臨床バイオメカニクス学会誌. 22. 99-103 (2001)
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[Publications] 東裕隆: "TGF-βおよびEGFの混合投与が凍結処理家兎膝前十字靭帯(再建モデル)の力学的特性に与える効果"北海道整形災害外科学会雑誌. 43. 1-4 (2001)