1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610037
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
高城 功夫 東洋大学, 文学部, 教授 (90058149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 信定 東洋大学, 文学部, 教授 (00072538)
大久保 廣行 東洋大学, 文学部, 教授 (40073928)
伊藤 宏見 東洋大学, 文学部, 教授 (70109578)
清水 乞 東洋大学, 文学部, 教授 (20058001)
河波 昌 東洋大学, 文学部, 教授 (40057964)
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Keywords | 死生観 / 仏教 / 国文学 / キリシタン思想 / 日本美術 |
Research Abstract |
本研究は、平成10年度・平成11年度の2年間にかけて、日本における死生観の特質、および歴史的な変容過程を、仏教・日本文学・日本美術・キリシタン文化等の側面から探究していくものである。2年目にあたる平成11年度は、昨年までの文献研究および研究調査の成果を踏まえつつ、前年度の研究では不十分だった点を補いながら研究を深化させた。研究調査としては、研究代表者および研究分担者がそれぞれの研究分担課題に基づいて国内各地(北海道沙流郡、出羽三山、佐渡、熊野、高野山大学、京都大学、大阪府立図書館、高知等)での資料調査、実地調査をおこなった。 そして、こうした調査や文献研究を踏まえ、それぞれの研究者が各自の専門分野の立場から「日本における死生観」を考察し、その成果を研究成果報告書にまとめた。その結果、研究成果は、仏教からは、業思想、天台、真言、禅宗、浄土教、日本文学の方面では、万葉集、中世・近世・近代文学、そして、キリシタン思想に日本近代美術といった立場からといったものとなり、非常に多岐にわたる様相を呈している。 これらの成果から、それぞれの死生観の特色と、死生観の歴史的変容過程を窺い知ることができた。だが、こうした死生観の特色を比較検討し、関連性を把握していくことが限られた研究期間では充分に行えなかったため、本研究はなお考察の余地を残しており、さらに研究を進めていく必要性がある。このように、本研究を通じて、日本における死生観の一つの知見を見いだし、それをさらに深く考察する必要性を認識し得たことは、研究成果報告書に示される以上の成果であった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 伊藤 宏見: "草木成仏について(5) -道範筆受の秘蔵記鈔-"東洋学研究. 37号(発表予定). (2000)
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[Publications] 大久保廣行: "高橋虫麻呂の世界 -水江浦島子詠を通して-"万葉集研究. 23集. 199-248 (1999)
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[Publications] 高城 功夫: "邂逅の人々 西行と寂然"国文学 解釈と鑑賞. 65巻3号. 66-75 (2000)
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[Publications] 竹内 清己: "現代日本文学の〈ヴイ〉堀辰雄と中野重治(2) -1920年代(2)-"東洋学研究. 37号(発表予定). (2000)
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[Publications] 田村 晃祐: "宮本正村先生の真宗学"宮本正尊博士の世界 -人と思想. 757-791 (1999)
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[Publications] 橋本 泰元: "ヒンドゥー教における葬儀と霊魂観(上) -最期の供養"死後の世界 -インド・中国・日本の冥界信仰. 38-75 (2000)
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[Publications] 橋本 泰元: "ヒンドゥー教における葬儀と霊魂観(下) -祖霊祭の構造"仏教教育と人間 -斎藤昭俊教授古稀記念論文集. (発表予定). (2000)
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[Publications] 中山 尚夫 (編): "風声夜話 翁丸物語 付 連理隻袖・名勇発功談"古典文庫. 467 (1999)