1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610064
|
Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
丸山 伸彦 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助教授 (90183623)
|
Keywords | 直垂 / 狩衣 / 鳥帽子 / 鎧直垂 / 大紋 / 素襖 / 胴服 / 小袖 |
Research Abstract |
本年度は当該研究の初年度として、中世の服飾変遷を考察するうえで欠かすことのできない有職故実関係の文献のうち主要な資料のデータベース作成化を図るとともに、博物館・美術館等に収蔵されている実物資料の調査を実施した。データベース化を計ったのは『満佐須計装束抄』 ・『餝抄』 ・『後照念院殿装束抄』・『装束抄』・『次将装束抄』・『三條家装束抄』・『雁衣抄』・『布衣記』等の資料で、全文データベースの形式とした。これらの資料を中心に、主として直垂形式の服飾における烏帽子の役割とその用いられ方について順次考証中である。実物資料については、中世の服飾資料がほとんど伝存していないため、近世初期の遺品のうち毛利博物館や仙台市博物館、京都国立博物館などに収蔵されている鎧直垂や胴服、小袖類を調査し、直垂・大紋・素襖といった中世の服飾形式から装飾様式の継承されている過程を考察するための基礎的情報の収集に努めた。次年度は、文献・実物資料の充実を計るとともに、その連繋の作業を推進する計画である。
|