1999 Fiscal Year Annual Research Report
健常者の妄想的観念の研究・精神分裂病の妄想との比較研究と発生論的研究
Project/Area Number |
10610068
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丹野 義彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60179926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎原 康史 群馬大学, 医学部, 助教授 (80178847)
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Keywords | 精神分裂病 / 妄想 / 妄想的観念 / 質問紙法 / 構造化面接法 |
Research Abstract |
精神分裂病には妄想・幻覚・自閉などの症状がある。本研究は,妄想のアセスメント技法を新たに開発し,それを用いて症状の成立機序について検討し,いくつか興味深い知見を得た。 妄想の内容的側面について,質問紙によるアセスメント技法である妄想観念チェックリストを新たに開発した。これを用いて,健常者の妄想的観念について調べ,多変量解析を用いて構造化を試みた。その結果,正感情と負感情,自己と他者の方向性という2つの次元で構造化できることを明らかにした。また,健常者の縦断調査をおこない,そのデータを階層的重回帰分析にかけることによって,妄想の素因とストレッサーの交互作用によって妄想的観念が高まることを明らかにした。すなわち,妄想の素因の高いものが、ストレッサーを体験した場合に,妄想的観念が高まっていた。 妄想の形式的側面について,半構造的面接によるアセスメント技法である対人観念多次元面接法を新たに開発し,その信頼性と妥当性を検討するため,健常者を対象とした調査をおこなった。その結果,信頼性については十分高いことを確かめた。また,妄想を持つ精神分裂病を対象として臨床試用をおこない,このアセスメント技法が臨床場面でも十分に使用可能であることを見いだした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tanno Yoshihiko: "An aberrant judgmental pattern of schizophrenic patients in weight discriminations"Psychiatry and Clinical Neurosciences. 53. 477-483 (1999)
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[Publications] Ishigaki Takuma: "The ability of signal detection of patients with auditory hallulcinations"Psychiatry and Clinical Neurosciences. 53. 471-476 (1999)
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[Publications] 丹野義彦: "妄想的観念のアセスメントの開発"Cognitive and Behavioral Scieces Reseach Report. 99-J1. 1-25 (1999)
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[Publications] 丹野義彦: "認知理論の最近の動向-Beckの認知療法と認知病理学"精神科診断学. 9. 379-388 (1998)
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[Publications] 石垣琢磨,丹野義彦: "言語的フィードバックが精神分裂病患者の注意機能に与える影響"精神医学. 40. 263-269 (1998)
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[Publications] 杉浦義典、丹野義彦: "大学生における非機能的な思考体験の因子分析による分類"性格心理学研究. 7. 51-53 (1998)
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[Publications] 丹野義彦: "心理測定法"放送大学教育振興会. 18 (1998)