1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610087
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松田 隆夫 立命館大学, 文学部, 教授 (00035312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 康弘 立命館大学, 文学部, 助教授 (30260392)
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Keywords | 運動からの構造復元 / 立体視 / 三次元構造の知覚 |
Research Abstract |
二次元的な運動画像から復元される三次元構造の知覚に、境界の検出がどのような影響を及ぼすかについて実験的に検討した。その結果、境界の検出及びそれによる背景と対象物との分割は、運動に伴う三次元構造の復元的知覚に対して、特徴点の速度勾配情報よりも強い拘束力を持つことが見出された。なお、この実験に関連する試行的な研究成果は、1998年度日本心理学会第62会大会において発表されている(発表論文集,p.550)。 また、本研究では、片眼による奥行情報と再眼による奥行情報が視覚系でどのように統合されるかについて検証することも、全体の研究目的の一つとして設定された。そのため、過去の研究知見が比較的豊富な片眼運動情報と両眼視差情報を取り上げ、これら二つの情報の統合過程について研究を行うこととした。検証するための指標としては、拡大/縮小運動する二次元的画像の持続視が誘発する運動残効の現象を用いることとした。これは、もしこれらの運動パターンに両眼視差情報が付与された場合、運動残効の生起または残効の持続時間に影響が認められるとすれば、二つの情報は同じ神経機構において処理されている可能性が示唆されると考えたからである。 実験では、正弦波縞の同心円図形の拡大運動パターンに、凹形の奥行方向をもつ両眼視差情報を加えた条件/凸形の両眼視差情報を加えた条件/両眼視差情報のない条件で、生起した運動残効の奥行方向と持続時間を観測し、3条件間での比較検討を行う予定であり、現在、そのための動的画像刺激を作成し、予備的観測を行っている。
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