1998 Fiscal Year Annual Research Report
算数文章題の理解と解決を支援する学習方略の開発と転移に関する縦断的研究
Project/Area Number |
10610107
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
多鹿 秀継 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30109368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 浩成 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (80275148)
坂本 美紀 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (90293729)
伊藤 俊一 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (50262936)
中津 楢男 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90133131)
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Keywords | 算数文章題 / 問題解決 / 学習方略 / 転移 / 縦断的研究 / メンタルモデル |
Research Abstract |
今年度(平成10年度)の研究によって得られた知見は、以下の通りであった。(1)算数文章題の理解と解決を支援する学習方略を明確にするために、小学6年生が割合文章題を理解する場合に利用する学習方略を調査によって特定した。即ち、先行研究結果を利用して5種類の学習方略((1)線分図を描いてから解く、(2)線分図以外の図や絵を描いてから解く、(3)メモを書いてから解く、(4)問題の中のヒントになる言葉や数字を見つけ、その言葉や数字をすぐに使って式を作り、問題を解く、(5)その他のやり方を使って解く)を小学6年生に与え、各割合文章題をどのようにして解くのかを聞き、実際に解かせたところ、(4)の方略を使用する子どもが多かった。しかしながら、難問題に正解する子どもは線分図を利用する割合が高いことが分かった。(2)小学5年生に線分図の中心線のみを与え、割合文章題の内容を反映した線分図を作成させたところ、割合文章題の内容を確認するための質問を与える条件の子どもに比べて、当該の割合文章題をより多く正解した。正解の多い傾向は、より複雑な割合文章題で顕著であった。 現在のところ、20台のコンピュータを設置している小学校に出向き、上記の研究成果に基づいて構成された学習方略としての線分図作成プログラムを当該のコンピュータに組み込み、小学5年生に線分図作成の訓練を実施中である。コンピュータを利用してこのような訓練を行った子どもと、線分図作成の訓練を行っていない子どもの割合文章題の理解と解決を吟味し、コンピュータ支援による学習方略の開発を行う予定である。
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Research Products
(2 results)