2000 Fiscal Year Annual Research Report
算数文章題の理解と解決を支援する学習方略の開発と転移に関する縦断的研究
Project/Area Number |
10610107
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
多鹿 秀継 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30109368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 美紀 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (90293729)
伊藤 俊一 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (50262936)
中津 楢男 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90133131)
野崎 浩成 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (80275148)
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Keywords | 算数文章題 / 問題解決 / 学習方略 / 転移 / 縦断的研究 / メンタルモデル |
Research Abstract |
今年度(平成12年度)の研究によって得られた知見は、以下の通りであった。(1)昨年度までの2年間に得られた研究成果の更なる分析を行った。具体的には、(1)コンピュータを利用して線分図を作成する訓練を行ってから問題を解いたグループ(訓練群)、コンピュータによる線分図の作成訓練に要した時間と等しい時間を割合文章題の授業の時間にあて、他の条件群に比べて余分に割合文章題の授業を行ってから問題を解いたグループ(過剰学習群)、並びに割合の授業終了後に問題を解いたグループ(統制群)、の3グループ間における3回のテスト得点の推移の分析、及びコンピュータ利用による成績上位の児童と成績下位の児童の差異の分析等を行った。その結果、割合文章題の解決に関しては、コンピュータ利用による訓練群の成績は第1回目のテスト結果から他の2群に比べて成績の優位を示し、その優位は1年間を通して維持され、かつ割合の難問題において顕著であったこと、が見出された。また、コンピュータ利用による方略訓練に関しては、コンピュータによる訓練によって線分図方略が身に付いていない児童も存在すること見出された。適性処遇交互作用の考え方の重要性が再認識された。(2)7月に開催された「XXVII International Congress of Psychology」で研究成果の一部を発表するために発表原稿を作成し、1年にわたる割合文章題の理解と解決に関する縦断研究において、コンピュータ利用による線分図方略の訓練効果とその理論的背景を明確にした。
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