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2001 Fiscal Year Annual Research Report

廃棄物問題の社会構造

Research Project

Project/Area Number 10610168
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

鵜飼 照喜  信州大学, 教育学部, 教授 (80045161)

Keywords廃棄物処理 / 地域紛争 / 立地条件 / 中間処理 / 減量化 / 廃棄物処理業 / 地域政策 / 循環型社会
Research Abstract

本研究の目標と成果は、以下の通りである。
1.研究の目標:(1)廃棄物問題と公害問題の関連の解明、(2)廃棄物処分場の紛争化要因とその立地条件の解明、(3)廃棄物処理行政の問題点の解明、(4)廃棄物問題解決への提言
2.研究成果の概要:
(1)現行の「廃掃法」が昭和45年のいわゆる公害国会で制定されたことが示すように、公害問題と今日の廃棄物問題とは深い関連がある。公害問題の解決は、被害者の救済、有害物質処理技術の開発、公害の輸出の3点であった。技術的解決はその後の大量生産・大量廃棄をもたらし、今日の廃棄物問題の要因となった。また、両者は近代工業とりわけ石油化学工業の発展と大量生産・大量廃棄によるところに共通性があるといえる。
(2)廃棄物処分場の紛争化の基本的要因は違法操業と有害物質の規制基準の甘さに集約される。違法性の内容は、焼却処理、埋め立て処理のいずれにおいても、許可操業条件を越える量と質の処理であり、かつ現行法では、厳密に操業条件を遵守させることは不可能である。また、立地条件は、過疎地、行政区の境界付近、適度のアクセルがあること、施設建設地の情報ルートがある。なお、処分場による環境汚染が、水源地汚染に直結する危険性が大きいことも明らかにした。
(3)根本に排出者責任制の暖昧さと、それによる廃棄物処理に関するデータの不正確さがある。また、国の進めている「減量化政策」には問題点が多く、「循環型社会」にはほど遠いことを示した。また、地域社会での廃棄物処理業者の社会的地位の低さが問題の根底にあり、今日の産業社会の負の部分であることも明らかになった。
(4)当面考えられる処分場は、諸リサイクル活動に結びつけることを前提とした「中間処理」施設を工場地帯に建設することである。それはリサイクル技術や廃棄物管理技術の集積や再利用施設である工場が工業地帯に集中していることによる。他方、法制上では排出者責任制の拡大と厳格化、有害物質の生産・使用規制の強化による「減量化」を目指す産業政策に転換することである。また、地域社会政策としては、廃棄物処理業者の社会的地位の向上を目指すことである。

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] 鵜飼照善: "廃棄物問題と環境社会学の課題"環境社会学研究. 6号. 216-132 (2000)

  • [Publications] 鵜飼照善: "廃棄物処理場問題と住民運動"総合都市研究. 第73号. 103-113 (2001)

  • [Publications] 鵜飼照善: "廃棄物問題と自治体行政の課題"総合都市研究. 第69号. 61-77 (1999)

  • [Publications] 鵜飼照善他6名: "廃棄物問題の環境社会学的研究"東京都立大学出版会. (2001)

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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