2000 Fiscal Year Annual Research Report
ジャーヒリーカ時代からイスラーム時代にかけての暦・巡礼・交易システムの変遷
Project/Area Number |
10610365
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Research Institution | Tokyo Jogakkan Junior College |
Principal Investigator |
医王 秀行 東京女学館短期大学, 国際文化学科, 助教授 (20269426)
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Keywords | イスラム / メッカ / 巡礼 / 閏月 / 暦 / ジャーヒリーカ時代 |
Research Abstract |
ジャーヒリーカ時代には,各種の偶像を祭った聖域がアラヒーア半島全域に存在し,それを守護するアラブ部族が種々の祭礼やスーク(傘市)を運営,管理していた.半島各地の巡礼時期、並びに交易の時期には,神聖月が設定され,遠方からの巡礼者の安全を保障していた.このシステムを推持し,なおかつ半島外の商人とも交易を行なう必要から,毎年巡礼行事は特定の季節に行なわれていた.古代メソポタミアの暦ヤユダヤ暦同様,この時代のアラブは太陰太陽暦を用いていた.1年を12ヶ月とする太陰暦の場合,毎年太陽暦とはずれが生ずるため,これを調整するために,おおよそ3年に1度閏月を入れて1年を13ヶ月に調整していた.これら神聖月の設定を含む暦の管理をナシーと呼んだ.預諸ムハンマド晩年,ヒジュラ暦1-10年の間には3日閏月が設けられた.具体的にはA.H.1年,3年,6年の3日である.よってイスラム暦の紀元は従来より3ヶ月ほど早く,622年4月18日とするのが妥当である.これによって多少なりとき預諸ムトンマドと諸事件の関わりを季節の点から修正する必要が出てくる.
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Research Products
(2 results)