1998 Fiscal Year Annual Research Report
三月革命期オーストリアにおける地方等族議会政革に関する地域社会史的研究
Project/Area Number |
10610369
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 勝則 東北大学, 文学部, 教授 (40106737)
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Keywords | 地域社会史研究 / 地方等族議会 / 三月革命 / ゲマインデ・ビュルガー / 代表制 / 等族財政 / ゲマインデ財政 / ラント・チロル |
Research Abstract |
研究課題遂行上,不可欠の『下部オーストリア地域研究雑誌』1867〜1996年の購入によって,過去1世紀半のオーストリアの地域研究史上,三月革命期(1848年)の地方等族議会改革が有する歴史的位置を把握することが出来た。例を挙げれば,H.ハッシンガーの研究などを発見できた(Vgl.H.Hassinger, Die Landstande der osterreichische hander, in: Jahrbuch fur Landeokunde von NO, 36.1964)。内容的には,以下の史実を確認することができた。1.14世紀以来,エンズ河を境とするオーストリアの各ラントにおいて成立してきた身分制地方議会Landstandeの構成は,諸身分の参加の類型によって極めて多様な構成を有すること。2.その構成に応じて三月革命期には,各ラント毎に改革課題は独自のもとのなっていたこと。聖職者(司教Bischofe, Apte, Propste)貴族(領主,Grafen, Freiherrem, Ritter)そして限られた都市とマルクトの代表達が地方等族議会を構成したところでは,ゲマインデ・ビュルガーとしての農民の解放とその「代表制」への参加,並びに地方等族財政の改革,ゲマインデの財政基盤の確立,をめぐる問題が問題の焦点をなしており,革命というより,1日身分制社会の主導層が,積極的に改革にのり出していったことが明らかとなってきた。今後は,視野をシュタイエルマルク州やケルンテン州そしてチロル州にも拡大する。
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Research Products
(1 results)