1999 Fiscal Year Annual Research Report
三月革命期オーストリアにおける地方等族議会改革に関する地域社会史的研究
Project/Area Number |
10610369
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 勝則 東北大学, 文学部, 教授 (40106737)
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Keywords | ヨーロッパ統合 / 共通政策 / 欧州連合市民権 / シュタイエルマルク / 地方等族議会改革 / 暫定市町村令 / 二月憲法体制 / ラント政府・議会 |
Research Abstract |
今年度の研究成果及び知見は次の通りである。 1.ヨーロッパ統合の現段階の確定:単なる関税同盟や通貨同盟としてではなく,何よりも(1)共通政策の束(共通農業政策、国境地域間地域開発政策Euregio、共通社会政策等)による地位間不均衡の是正のシステムとして、また(2)欧州連合市民権の拡大による国民主権原理の相対化,地域主権原理の拡大にあることを確認した。(論文「統合ヨーロッパの現段階-EU共通政策と欧州連合市民権-」) 2.三月革命期シュタイエルマルクにおける地方等族改革の検討:『シュタイエルマルク地域研究雑誌』1850-1969年の購入によってテーマ関連研究論文を検討した。シュタイエルマルクでも都市市民のラント会議への参政権の拡大そして隷農の国家市民としての解放が日程に登っていた。 3.1.2.を踏まえつつ、改めてハプスブルク帝国統治体制の歴史的展開過程を再構成し直してみた。(1)三月革命期の地方等族改革(2)1849年新絶対主義の暫定市町村令(3)1860年二月憲法体制下のラント政府・議会の開設(4)ハンガリーとのアウスグライヒ、二重帝国統治体制における州主権自治の拡大擬似連邦制的地域統合構造(Cisleitanien)とハンガリー独立政府・議会・軍隊における大マジャール主義的地域統合構造(Transleitania)以上の歴史構造が新たな知見として得られた。 「統合ヨーロッパの歴史的-源流-ハプスブルク帝国-」として論集『ヨーロッパの発見』有斐閣2000年七月刊行予定(1999年5月社会経済史学会大会共通論題京都大学にて発表)
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Research Products
(2 results)